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女執事さんと恋人さんの物語
【女性向け 官能小説】

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出会いのきっかけは一匹の猫でした-2

 今からちょうど一年前の冬の日。買出しに出かけていたときの帰り道。
 道端にダンボールが置いてあった。普通に素通りしようとしたのだが、中から何やら子猫のような鳴き声が聞こえてくる。
 
「猫…?」

 気になって中をあけてみると、中には数匹の子猫が死んでいた。
 生きていたのは一匹だけ。まだ小さな子猫だった。捨てられたのだろう。
 助けてあげたい。そう思ったが兄は猫アレルギー。お嬢様も同じく。
 飼えなかった。

「…どうしましょう…」

 しかしこのまま放っておいたら他の猫のようにこの子も息絶えるだろう。
 とりあえず、余分に買ってしまったサバ缶を開けて猫に差し出す。
 彼女(彼?)はおいしそうにそれを食べた。

「にゃぁ〜」

「…ごめんなさい、家では無理です…誰かこの子を助けてくれる人を探さないと…」

 ぱらぱらと降る雪が頭に積もる。あいにく傘を持っていなかった。
 しかし、今はそんなことを気にしている場合ではない。
 この子を飼ってくれる人を探そう。そう思ったとき、誰かが私の上に傘を差してくれた。後ろを振り返るとそこに居たのは私と同年代くらいの男性。
 
「捨て猫か?」

 初対面にも関わらずタメ口で話す男性。その男性に対して私は頷いた。
 この時は彼と付き合うことになるなど思っても居なかった。

「あの…」

「ん?」

「家でこの子飼ってあげることって…できますか?」

 思い切って男性に頼んでみる。すると彼は快く頷いてくれた。

「どうせ家で一匹飼ってるからな。たぶんあいつなら仲良くしてくれるよ」

「そう…ですか。よかった…私、捨てられてるこの子を見て…どうしても助けたいって思って…でも、家族は皆猫アレルギーなので」

 私がそういうと、彼は少し驚いた顔をした。

「…ふ〜ん。そっか、優しいんだな。あんた。俺はてっきりあんたが捨てたのかと…」

「そんなことしません!でも、ありがとうございました」

 ぺこりと私が丁寧に頭を下げると彼はどういたしましてといった。
 そして、私がダンボールから猫を拾い上げ彼に渡そうとすると子猫は彼に噛み付いた。

「痛っ!?」

「だ、大丈夫ですか!?」

 子猫は私にしがみついたまま離れない。なついてしまっているようだ。

「ははは…なついてるな…」

「えと…」

「…俺の家、すぐそこなんだ」

 そういって彼は近くの家を指差す。

「よかったらあがっていくかい?」

「あ、でも…初対面の人にそこまで…」

「大丈夫大丈夫、俺一人暮らしだから」

 一人暮らしと聞いて余計不安になる。しかし、悪い人には見えなかった。
 結局私は悩んだ末、彼の家にお邪魔した。
 捨てられていた子猫をダンボールごと持って。


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