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おもいで
【エッセイ/詩 その他小説】

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おもいで-1

ある夜、久しぶりに卒業した中学校に立ち寄った。空はもう星が輝いていて、あの時のような夕焼けの景色じゃなかったけど、俺におもいでを思い出させてくれた。
高校受けるときの冬だったっけ。夜に学校の庭に忍び込んで話し合ったのを思い出したんだ。
みんなで上京して暮らそうとか言ってたよな。俺が設計して、みんなで家を建てて住もうとか、馬鹿みたいなことを信じてたんだ。絶対に俺たちは夢を叶えられるって。

高校に入ったら、今まで霞んでた《現実》が見え始めた。一人は、親の後を継ぐって言った。また一人は、彼女と一緒に地元に残ると言った。そうして、みんなが《現実》を見据え始めたんだ。
なら俺はどうすりゃいい?もう、意味のない勉強をする気も起きない。誰も信じられねぇ。そう思ってたんだ。
けど、今日この場所に来て思ったよ。みんな、違う夢を見付けたんだなって。
それなら、俺はお前らを全力で応援したい。今はまだ、笑って話しあえねぇけど、いつか、俺たちが年とって、今を笑って話すことが出来るようになったら。そんときはみんなまた、この場所で語り合おうぜ。俺は待ってる。

〜終わり〜


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