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三叉路 〜three roads〜
【学園物 恋愛小説】

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ダブルデート-4

このメンバーで遊ぶのは、きっと今日だけだから、今日一日だけは我慢して沙織に付き合おう。


だけど、これからは土橋修達に一切関わりたくないので、郁美の頼みごとである土橋修とのセッティングも断ろう。


よく考えたら、郁美ならいろんなつてがあるだろうし、いざとなれば学校の前で待ち伏せすればいいんだ。


そう考えると、ふと気が少し楽になった。


友達のためとは言え、これ以上惨めな思いはしたくない。


それに、こんなヤツらに、どう思われたっていい。


私は自分の中で結論を出すと、沙織の方を見て、


「私も朝から何も食べてないからガッツリ食べたい!」


と、やたら元気な声を出し、レストラン街の中の一つのファミレスを指さした。


 ◇ ◇ ◇


昼時のファミレスは大変混雑していて、私達みたいな若者や、やたらいちゃついたカップル、小さな子供がギャーギャー騒ぐ家族連れで賑わっていた。


すでに行列ができていたので、大山倫平が順番待ちの名簿に名前を書いた。


名前が呼ばれるまで待っていた間、私は沙織とばかり話し、土橋修と大山倫平の方には一切視線を向けなかった。


こうすることでささやかな仕返しをしたつもり。


そして、大山倫平をチラッと見ては、“沙織はあんたなんか相手にしないんだから”と心の中で毒づいてみた。


私のそんな心の内を知らずに、彼らは渡されたメニューを退屈そうに眺めている。


10分程待っていると、中年の女性の店員さんに名前を呼ばれ、私たちは案内された席に着いた。


窓際のテーブルに案内された私達は、私が窓際に座り、その隣には沙織が座り、私の向かいには土橋修が、その隣には大山倫平が座った。


「お腹空いたね〜、何食べようかな?」


沙織はそう言ってメニューを開き、私が見やすいようにテーブルに広げた。


「あ〜色々あって迷うね! でも、やっぱりパスタにしようかな」


「沙織って最終的にはいつもパスタだよね」


私はクスクス笑い、沙織の見ているメニューの方を見つめていると、


「沙織ちゃんはイメージ的にパスタって感じだよな」


と、大山倫平が話に割り込んで来た。


「そうかな?」


沙織は言っている意味がわからないといった感じで不思議そうな顔で大山倫平を見た。


「んで、石澤さんはなんか生姜焼き定食って感じ」


大山倫平は少し小馬鹿にしたような顔つきで私を見た。



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