移ろう-1
｢…しょうちゃん、やっちゃったよ｡｣
晩秋の朝、私は出勤前の布団の中でしょうちゃんに電話をかけていた。
｢なにやったの?セックス?｣
｢いや…｣
｢あ、利津子ちゃんは息をする様にセックスするから、わざわざ報告しないかー｡｣
｢…｣
｢いや、黙るなって…｡で、どうしたー?｣
｢いや…
別れたこと、間違って保険屋に言っちゃった…｣
私生活【ノンフィクション その他小説】
