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ゼビア・ズ・ショートストーリー
【ファンタジー その他小説】

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雪の贈り物-6

『ぶわぁか』

 グロウはアースの浅はかさを恨みつつ、全身に付いた雪を払った。

「でも、今ので波動は読めた……どうする?」

 アースはグロウをチラリと見て意見を求める。
 グロウはがしがしと頭を掻いて尻尾を揺らした。

「はは〜ん……さっきのは嘘か?リンが嫌がってんだろ?」

『寝不足なのは本当だが、魔力辿れない程じゃねぇし……春になってからにしようとか……我が儘言ってんだよな』

 140歳越えのくせに精神年齢が未成年のリンは、メリーと別れるのが嫌で駄々を捏ねているらしい。
 実は今も仮眠じゃなくて『お前がしないならアースを呼ぶ』と言ったグロウと喧嘩していじけてこもっている。

「そっち解決してから俺を呼べよ……メリーは見とく」

 アースに尻を蹴られたグロウは、尻を擦りながら渋々と部屋を出ていった。

「ダメなパパとママだねぇ?」

「ねぇ?」

 残されたアースとメリーは2人で首を傾げてクスクス笑うのだった。


『リ〜ン?』

 学長室のドアをノックしたグロウはそのままドアに背中を預けて返事を待つ。

「うるさいっグロウなんかキライ」

 リンの子供な返事にグロウは天を仰いで息を吐いた。

『いい加減にしろよ?』

「急ぐ事ないじゃない」

『親が捜してたらどうすんだ?そしたら一刻も早く無事を知らせるのが先だろ?』

「でも……」

『リン?我が儘はダメだ』

 少し強めの口調のグロウの言葉にリンは黙りこくる。
 これじゃメリーと変わらない。

「何でグロウは平気なの?」

 ドア越しに聞こえたリンの声に、グロウは俯いて自嘲気味に笑った。

『俺は……沢山の別れを経験してるから……そういうトコはちょっと鈍感かもな』

 1000年の間に沢山の生き物が自分をすり抜けていった……いちいち気にしてたら正直、身がもたない。
 すると、もたれていたドアがグッと押された。
 一歩動いて振り向くと、リンがドアの隙間から顔を覗かせる。

「……ごめんなさい……」

 自分の事ばかり考えていて、グロウが自分よりも遥かに長生きなのを忘れていた。
 長生きなせいでグロウは感情の起伏が乏しい。
 アースと分離した時はそうでも無かったが、記憶が戻った後に本来の彼に戻った感じだ。
 だからと言ってグロウへの愛は変わらなかったし、勿論グロウも自分を愛してくれている。
 というか……以前以上に……まあ、その事はこの際置いといて……。
 グロウだってメリーと別れたくない、という点ではリンと一緒なのだ。
 ただ、リンと違ってあまり感情を表さないうえに、とっても大人だからメリーの事を第一に考える。
 そんなグロウの事を分からず、どっかにほっといてしまった自分に反省。


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