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是奈でゲンキッ!
【コメディ その他小説】

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是奈でゲンキ!U 『是奈、エースを狙え!?』-9


「ね〜ね〜真由美ちゃん、足のケガ大丈夫ぅ」
「うんっ、大丈夫だよぉ。骨に異常は無いし、軽い捻挫(ねんざ)だから、お医者様も直ぐに直るって」
「そう良かったぁ。真由美ちゃんテニス部のエースだから、今度の大会に出られ無く成ったらどうしようかって、心配だっ
たんだぁ」
「そんなぁ……わたしなんかまだまだですよ」
 どうやら都子と真由美は互いに、練習試合の労を労(ねぎら)って居た様子である。
 真由美のケガも大した事は無く、都子も一安心と言ったところだろう。いつものように明るい笑顔を見せる、二人であっ
た。
「そう言えばぁ、わたしのケガなんかよりも、中村さんのケガの方が重いのではぁ……」
 真由美は自分のケガをさて置いて、どうやら是奈にラケットを打ち当てられて、気絶した彩霞の事を心配していたようで
ある。本当に大丈夫なのだろうかと、悲痛な面持ちで、都子に尋ねていた様子であったが。
 一方尋ねられた都子は、あっけらかんな物である。
「平気、平気ぃ! 彩霞ってばああ見えても、身体だけは熊なみに丈夫なんだよぉ。明日辺りはにはいつもの様に『オィ〜
〜スッ!』とか何とか言いながら、学校に来るって」
 どうやら都子、今日は大事を取って学校を休んで居る、彩霞が居ないのを良い事に、言いたい放題言っていた様子である。
 そんな後日談に、都子と真由美が華を咲かせていた時だった。
 突然教室の扉を開け放って、頭に包帯をグルグル巻きにした彩霞が、教室へ飛び込んで来たではないか。
「彩霞ぁーーっ! どうしたのいったいっ! 今日学校休みじゃなかったの!」
「中村さん怪我してるのに、無理しちゃいけないわっ!」
 都子も真由美も、瞬(まばた)きも忘れるほどに驚いていた。
「そんな事より是奈は何処だっ! あいつ何処へ行ったっ!」
 何をそんなに慌てているのやら、都子達の話も馬耳東風、全く持って聞く耳を持たないまま、彩霞は教室に入って来るな
り、忙(せわ)しく辺りを見渡して居た。
 そんな彩霞に向かって、都子が。
「是奈ちゃんなら、ちょんとそこに居るじゃない」
 と、机を抱えるようにして伏せ込んで、まるで干からびた垂れパンダのように、ぐったりしていた是奈を指差して言った。
 言われて彩霞、そんなだらしなく呆けている是奈の腕を ”ムンズッ”と鷲掴みにすると。
「こら是奈っ! お前何のん気にだれて居やがるんだっ! さあ練習に行くぞ!」
 と、強引に是奈の身体を引っ張り出したではないか。
「えっあっ……ちょっと中村さんっ! なになにっ何なのいったいっ!!」
 是奈も突然の出来事に、我に返ると、彩霞を見上げて声を荒げたようであった。

「何じゃねーだろ! この前は不覚を取ったとは言え、玲子の奴に背中を見せちまったんだからな、次の大会はリターンマ
ッチってやつだぜ! それまでに俺がお前を鍛えてやるから、二人で玲子の奴に目に物見せてやろうぜっ!」
 そんな訳の解らない事を言いながら、嫌がる是奈を無理矢理に引きずって、教室を出ようとする。
 是奈も、必死に成って抵抗を試みるが。
「なななっ中村さんっ! ちょっと落ち着いてよっ! あたし何がなんだか、さっぱり解らなくてっ!!」
「何言ってやがるっ! そんなんじゃ玲子の奴に勝てないぞっ! お前が我がテニス部の真の『スーパーウエポン』と成る
日まで、今日から特訓だっ! 俺がみっちり扱いてやるぅ〜〜!」
「嫌ぁ〜〜ぁっ! もう赦してぇ〜〜中村さぁ〜〜んっ! お願ぁーいっ、誰か助けてぇ〜〜!」
 どうやら彩霞、懲(こ)りずに是奈と組んで、もう一度ダブルスであのタカビーお嬢様『緑山 玲子』に挑もうとしてい
るらしい。暴れる是奈の両足を引っ掴み、古タイヤでも引きずるかのようにして、そまま是奈と共に、教室を後にしたので
あった。

 そんな彩霞達の騒ぎを見ていた真由美が、さりげなく言った。
「なっ中村さん……本当に大丈夫なのかしら」
 それを聞いた都は。
「彩霞ってば……打ち所が悪かったみたいね」
 そんな会話を交しながら、二人してケラケラ笑って居た。


 おしまい。


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