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【寝とり/寝取られ 官能小説】

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-5

「いやぁ、食った食った。ごちそうさま」
「どういたしまして。……あの、アオキさん」
「ん、何だい?」
「男の人って、その、どういう……のが、いいんでしょうか?」
「どういう? ああ、セックスの事?」
「……はぁ、まぁ」

 アオキが臆面もなく聞き返し、マドカを見つめて顔をニヤつかせる。
 この臆面の無さと軽薄さが、あるいはアオキの武器なのかもしれない。
 マドカは恥ずかしそうに顔を伏せている。

 俺とマドカの間で、セックスがどうだとか、そういう話を持ったことはない。
 マドカは基本的に俺に極めて従順で、何か異議を唱えることもしない。
 俺はそんな彼女を愛してはいたが、セックスはオーソドックスで淡々としていた。
 最初はそれでお互い満足していたように思う。
 
 だが、時が経つにつれて、最初の頃の興奮は次第に薄れていったような気がする。
 だからといって、何かやり方を変える事もしなかった。
 変える事で、マドカにどこか嫌われるかもしれない。それが怖かった。
 マドカは、そもそも自分から男をセックスに誘うような性格ではないから、彼女から何かを変えようという事もあり得なかった。

「何がいいって、そりゃ、難しいな。男がどうこうより、マドカちゃんは、どういうのがいいんだい?」
「え、そんなの……わたしは、ハヤトさんがよければ」
「本当に? 自分は、どうでもいいの?」
「…………」
「こういう事って、マドカちゃんはハヤトと話してんの?」
「してませんよ、そんな事」
「なんで?」
「だって、恥ずかしいし……変に思われて嫌われたりしそうだし」
「ハハ、俺に話すのは、いいってか?」
「……すいません。わたし、他に男の人の知り合いって、いなくて」
「そりゃあ、光栄だな」

 アオキはワインのコルクを器用に抜いて立ち上がり、さりげなくマドカの横に座り直した。
 既に一本は二人で空けてしまっている。
 普段はあまりアルコールを口にしないマドカの顔が、ほんのり赤く見えていた。


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