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Twin's Story 10 "Cherry Chocolate Time"
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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約束-10

 龍は再び真雪の肩を抱いた。真雪も龍にもたれかかって腰に手を回した。
 「それともう一つ。」
 「え?」
 「あたしがこの場所に拘った理由があるんだ。」真雪はまた暖炉の火を見つめた。「ママは19の時、この暖炉の前でパパにプロポーズしたんだよ。」
 「ほんとに?すごいね、マユミおばさん。」
 「あなたのお父さんとそのまま付き合い続けることができない、ってその時ママはすっごく落ち込んでたんだって言ってた。頼れるものはケニーパパの温かさだけだ、って思ってプロポーズしたんだって。」
 「そう言えば父さんも言ってた。」
 「何て?」
 「実の妹と結婚できない以上、マユミおばさんとは別れなければならない。父さんがその冬、大学に戻る前の晩に、二人は最後の夜を過ごしたんだって。」
 「そうなんだってね。でも、それってとっても切ない夜だね。」
 「二人とも辛かっただろうね。」
 「でもね、ママって、その時すっごく大胆な行動に出たんだよ。」
 「え?大胆?」
 「そう。パパにプロポーズした夜、ママはパパをベッドにねじ伏せて、無理矢理セックスしたんだって。」
 「ね、ねじ伏せて?あのケニー叔父さんを?」龍は赤くなった。
 「その次の日の晩がケンジおじとの最後の夜。実はその頃ママ、自分が丁度排卵期だってこと知ってたらしくてね。」
 「ってことは、妊娠の可能性が高いってことじゃん。」
 「そう。それがママの企て。」
 「妊娠したかった、ってこと?」
 「ケニーパパかケンジおじの子ども、どちらかが欲しかった、って言ってた。って言うか、自分ではどっちか決められなかったらしいんだよ。」
 「確かに大胆かも・・・・。」
 「結果、どちらの子どもも授かった。」真雪が満面の笑みで言った。
 龍は少し考えて、突然叫んだ。「え?も、もしかしてその時マユミおばさんが授かった子どもが真雪とケン兄なの?!」
 「その通り。」
 「へえー!」
 「とっても珍しいケース。二つの卵子にそれぞれ違う人の精子がたどり着いて、父親が違う双子が生まれた。『異父双生児』って言うんだよ。」
 「すごいよ、それって。そうだったんだ、知って驚く衝撃の真実!俺、まさか真雪とケン兄の父親が違うなんて思いもしなかったよ。」
 「普通はそうだよ。あり得ない確率。ケニーパパの方があたし、ケン兄はケンジおじの子。」
 「じゃ、じゃあ、ケン兄は半分俺の本当の兄貴ってことじゃん。」
 「見てわかるでしょ?あなたとケン兄、ほんとにそっくりなんだから。」
 「そうかー、そうだったのかー。」龍は興奮冷めやらぬ様子でつぶやいた。
 「まさに奇跡。」
 「この場合、一番心が広いのはケニー叔父さんだね。」
 「聞いてみたら、けっこうあっさりしてたよ、パパ。ケン兄の父親がケンジおじだってことは、生まれる前から勘づいてたらしいしね。あたしたちが生まれた日、病院でパパ『マーユの子であることに間違いはないから、二人とも同じように育てるつもりや』って言ったらしい。」
 「わかる。彼なら言いそう。」
 「でもね、『健太郎がケンジの子やなかったら、そうはいかんかった』とも言ってたらしい。ケン兄から聞いた。」
 「ケニー叔父さんとうちの父さん、本当に心からの親友なんだね。ある意味羨ましいな。」
 「二人が友だちになったのも偶然だけど、ママがケンジおじと愛し合って、でも別れなくちゃいけなくなって、ケニーパパがママと結婚して、ケンジおじはミカさんを選んで・・・・。いろんな偶然が重なって、あたしたちここにいるんだよね。」
 「そうだね。まさに奇跡の積み重ね。」
 龍と真雪は身体を寄せ合い、しばらく黙ったまままた暖炉の火を見つめた。

 「ねえ、龍、そろそろケーキ食べない?」
 「いいね。」
 その大きなチョコレートケーキには砂糖漬けのチェリーとラム酒漬けのチェリーが載せられていた。
 「これは誰の作?」
 「ケン兄だよ。」
 「へえ!ケン兄、もうこんなに腕上げたんだ。売りに出せるよ。」
 「元々器用な人だからね。あたしが龍とここで過ごす、って言ったら、作ってくれた。」
 「俺もいい兄貴を持ったよ。」龍は笑った。「ケン兄は元々兄貴、君と結婚しても義理の兄貴。変なの。」
 「ほんとだね。」真雪も笑った。「でもね、このデコペンの文字書きながらケン兄、ぶつぶつ言ってたんだよ。」
 「え?何て?」
 「二人の名前、画数多すぎだ、特に横画が、って。」真雪は笑った。
 「それでもちゃんと漢字で書いてあるところがすごい。だから俺、ケン兄が好き。」
 「あたしも。」


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