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K×3
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K×3-5

回は進み、4ー2のまま試合は9回裏
練習試合に延長は無い
つまり、この回に逆転しなければ不破の入部は無くなる

この回のトップバッターは2番の稲葉から

「何で、輝さんみたいな人が、こんな弱小校にいるんっすか?」

不破は、さっきから気になっていた事を仁に尋ねた

「あいつ、肘を手術したんだよ・・・」

仁は、なぜ輝が弱小チームにいるのかを話始めた


あいつが肘を壊したのは確か中2の時だったな・・

肘壊す前は右の本格派とか言われてすげ〜選手だったんだぜ

もちろん、その頃から名門校から注目を浴びてたよ

それが少し肘を壊した瞬間、あっさりと見捨てやがったんだ・・・

手術して、リハビリしたら治る怪我だったんだぜ?
それを怪我持ちの選手はいらないだってさ・・

ひどい話だろ?

それからだったな、あいつが甲子園を強く、望み始めたのは

甲子園に出て、自分を捨てた高校を見返すために


仁と不破が話てる間に稲葉が、またまたフォアボールで塁に出た


仁の話を聞き終えた不破は静かに目を閉じ、そのまま俯いた

「キミは我が校には不必要な人間なんだ」

という声が頭の中に響く

実は不破も怪我を理由に名門から見離されていた

そのせいでプライドが傷付き野球を辞めてしまった

(俺はバカだ・・・)

続く3番の輝はファースト線ギリギリのヒットを放つ
(怪我をし、見離されながら、頑張ってる人がいる
それなのに俺は何だ?
たった一度、見離されたぐらいで何いじけてるんだ
情けねえ)

惜しくも4番の山口はサードライナーに倒れた


「仁さん!予備のユニフォーム用意して下さい」

「おっお前!?」

「この試合、勝ったらチームに入るって約束してるんっすよ!
だから、この試合は俺が打って勝ちます」

5番の川島が三振で終わりチームに敗北ムードが漂い始める

「山口さんでしたっけ?
代打お願いします」

「ああ?お前出たいのか?次の真中には期待できないし・・・
よしいいだろう!出ろ」
           
山口の言う通り、今日の真中は全然、当たっていない
「じゃあ代打、不破と言ってきてください」

「不破!?不破って・・
まさか!」

「説明は後っす!!
早くして下さい!」

「よし!期待してるぞ
代打不破!!!!」

『代打・不破』そう聞いた時、相手チームは騒ぎ始める
まさか、スーパースラッガー不破が岸鷲なんかにいるとは夢にも思わなかっただろう

不破がバッターボックスに入る
その圧倒的な存在感により場内は静まり返る

「はは♪不破が不破が出てくれた」
 輝は嬉しさのあまり笑みをこぼした


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