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The end of the DragonRaja,
【二次創作 その他小説】

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The end of the DragonRaja, Chapter 2[The start in new life]-21

 ヴァルキリーも同様に、ルアーノと同じ意思を表情に浮かべマルトースを見る。
 彼は国家戦でのアイサの死や、レナスでの死者達の無念を晴らすという情に溢れていた。
 ただマルトースは、まぁ待て、と言い気持ちに流されがちな2人を制する。

「今言ったであろう。レナスが再び襲われる可能性も払拭できないと。
 ルアーノ、お前の攻撃力と統率を欠いたらレナスやお前のギルドはどうなる。
 ヴァルキリー、お前も同様だ。
 お前達は立場ある者ゆえ、防衛に専心してもらいたいのだが…どうだ?」

 ルアーノもヴァルキリーも同じ事を考えていた。
 この賭けに出たマルトース自身が本当はイルスへ救援に行きたい思いを抑えている事を。
 幾分老齢になりはしたが、
 歴戦の戦いを生き残った彼自身がこのような大戦に出たくないはずは無かった。
 そんな想いを内に秘めている彼の瞳を見た二人は、共に諦めの表情を浮かべた。

「…済まない。
 では引き続き我が国も厳戒態勢を執る。ルアーノ、レナス外部の警備任せる。
 ヴァルキリー、彼等をここに連れてきてくれ。」



 ヴァルキリーはネリアの看病を続けるリーフの下へ来た。
 当然横にはアランが寝ている。
 先にリーフがヴァルキリーの姿を捉えた。

「どうかなさいました?」

「リーフ、お前とレクサス、リトに命令が出た。マルトース様が会議室でお待ちになっている。
 レクサスとリトには既に伝えた。」

「団長、命令とは?」

 リーフの答えをアランが遮る。

「例のシーフを討伐する。」

 アランは驚きを隠せず即座に起き上がる。
 リーフは困惑していた。
 折角アランと気持ちが繋がれたばかりなのにも関わらず、すぐさま離れてしまう事に。

 そして敵はあのシーフであり、この離れてしまうことが、
 永遠の別れになってしまうような不安に襲われた。
 
「俺は?」

「お前はその体では無理だろう。」

「大丈夫です。俺も行きます。」

「いいからお前は寝ていろ。
 リーフ、マルトース様は今待っておられるのだ、早く行け。」

 リーフはアランの顔を見れずそのまま走り出した。
 ヴァルキリーもまた、2人の顔を見ることは出来なかった。
 2人の素振りを見て、彼等を理解した。
 アランは彼女の後を追うように立ち上がる。
 だが両の足は体を満足に支えてはくれない。
 思わずよろけそうになるアランをすかさずヴァルキリーが肩を貸した。

「アラン、言う事を」

「行かせて下さい!」

 アランの瞳はとてつもなく澄んでいた。
 復讐や憎悪といった濁ったものが一切ない瞳は、ヴァルキリーを力強く見つめる。

「…だったら少し付き合え。」

 ヴァルキリーはアランから離れ、わざとらしく歩を早く進めた。
 すぐにヴァルキリーとアランの距離は離れていくが、それでもアランは必死に追いかける。
 途中何度も体を壁に預けながら。

 ヴァルキリーとの距離がなくなった時、そこは城内の庭園だった。
 様々な花が咲き乱れ、綺麗に切り揃えられた庭木が等間隔で植えられている。
 そしてヴァルキリーはもう一度アランの瞳を見た。
 先程と変わらない瞳を。

「アラン…、済まなかった。」

「え?」

 ヴァルキリーは庭園内の池へと視線を移す。
 城の側面に流れる小川から水を引き、整備された池。

「…アイサの事だ。」

「それは国家戦から帰還する時に」

「いや、俺はまだ全てをお前に伝えてはいない。」

 ヴァルキリーの決意を秘めた声がアランの耳にこだまする。
 ただアランは既にリーフからアイサのことを聞いていた。

「…アイサの、気持ち、ですか?」

「リーフから聞いたか。」

 日差しを受けた水面は輝いている。
 それをじっとヴァルキリーは見つめたままでいる。
 アランもヴァルキリー同様この美しい輝きを放っている池に視線を移していた。

「はい…。」

「そうか。」

 木々に止まっていた小鳥が新たな場所へ飛び立っていった。
 そんな彼等をヴァルキリーは見つめている。

「…アラン、…アイサは、…リーフを庇って死んだ。」

 アランの視線がすぐさまヴァルキリーへ注がれる。

「ノヴァの攻撃の直線上にリーフもいたんだ。
 アイサの後ろにな。
 俺の位置からそれは見えた。
 だから必死にアイサの前へ走ったよ。
 アイサはリーフに振り返ると笑顔だったからな…。」

 アランは唇を噛み締め、右の握られた拳は小刻みに震えていた。
 彼の目は悲痛さゆえに閉じられる。
目の奥には涙が溜められていた。
 彼女の死をヴァルキリーから聞いた時とは異なる涙だった。
 それを彼は決して流さないようにしている。
 流したくはなかった。
 流してしまえば、彼女の気持ちも自身の決意も一緒に流れていってしまいそうだった。

 ヴァルキリーの視線は空を悠々と漂う白い雲へと移っていた。


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