投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

The end of the DragonRaja,
【二次創作 その他小説】

The end of the DragonRaja, の最初へ The end of the DragonRaja,  55 The end of the DragonRaja,  57 The end of the DragonRaja, の最後へ

The end of the DragonRaja, Chapter 2[The start in new life]-13

 帰還したジャイファン軍はすぐさま軍議を始めた。
 先に遣わした伝令により、大方の状況を掴んでいるマルトースが口火を切った。

「まずは皆ご苦労であった。
 ルアーノ、アラン、ヴァルキリー、各々報告頼む。」

「山上では俺らが戦闘を開始する前に、既に城外の敵は死んでいた。
 そして不可解な奴等はどうやらシーフだ。
 死体を検証しても皆切断ではなく体を貫通させていた。
 そして見たことのないナイフが散乱してあったことから、シーフで間違いない。」

「海上では我が軍が戦闘を始めてからです。
 山上からバイサス軍の伝令が海上に到着し、
 その後を追ってきた1人のシーフによって虐殺が開始されました。
 奴の戦闘を間近で見ましたが、ルアーノさん以上の手練です。
 補助魔法の効果があったのかはわかりませんが、横状のアイスブラストで、
 バイサス兵の体をナイフが貫通していきました。
 また奴の右胸に我々と同じ赤い蠍の紋章があったことから、
 どうやらジャイファンの者ではないかと思われます。
 ただ、あのような者は見た事がありません。」

「平原では1人のシーフを目撃したのは戦闘開始からだいぶ経過していました。
 こちらも1人しか確認していません。」

 彼等の報告が終わると、マルトースは眉間にしわを寄せて考え込んでいた。

「ルアーノ、なぜ犯人は集団と思った?」

「あぁ、悪い、あくまでそう仮定しただけだ。
 圧倒的な破壊力と、同時に何人もの断末魔が聞こえた。
 ただ、アランやヴァルキリーの話を聞くと、犯人は一人っぽいな。
 あとな、奴は少し異常だぜ、狂ってる。」

「と言うと?」

「手口が残虐すぎた。
 奴は山上の城門をナイフである程度強度を落としてから、
 死体を投げつけて強引に破壊した形跡があった。」

「そうか。犯人は一人で山上、海上、平原の順で殲滅していった。
 しかも、その手口は残忍でかつ相当強く、そしてジャイファン人の可能性がある。
 奴の狙いは何だ…、どうも嫌な予感がする。」

 答えのでない場は静寂に包まれた。
 そして嫌な予感という言葉が静寂を食らい、再びルアーノは耐え難い不安に襲われる。


「わかった、犯人がジャイファン人という可能性がある以上、
 ひとまずこの件をイルスへ報告し、バイサスにも伝えてもらう。
 我々は虐殺をしてまでこの戦争を勝ちたいわけではない。
 ルアーノ、これからイルスへ使者として赴いてくれるか?」

「ああ、もちろん。急いだ方が良さそうだ。」

 ルアーノは席を立ち、マルトースを見る。
 マルトースが首を縦に振ると、彼は一目散に退室した。

「他は万一の事を考えレナス外部の封鎖と、市中の警備に当れ。
 配備はヴァルキリーに任せる。
 敵は強いゆえ、保護魔法は徹底させろ。」

 軍議を終え、ヴァルキリー他数名のストリームブリンガーとアルフォンスギルド、
 他2つのギルドをレナス外部に配置し封鎖を準備する。
 市中警護はアランを筆頭にストリームブリンガーと各ギルドが受け持ち、
 シュリギルドは隊をレナス外部と市中に二分させた。



 リーフはシュリと共に集団墓地へ来ていた。
 アイサを弔ったリーフはシュリの腕の中でそっと涙をこぼしていた。

「アイサさん、最期に、アランと幸せにって、言ってくれたんです…。」

「そっか…。」

 シュリは彼女の後ろ髪をそっと撫でている。
 リーフのすすり泣きが聞こえなくなったところで、静かにシュリは言った。

「じゃぁさ、リーフは絶対アランと幸せになるんだよ?」

 リーフが首を僅かに縦に振った。
 シュリはアルフォンスの墓を見つめる。
 
「みんなが…きっと見守っててくれる。
 だからね、あたしたちも、今生きてる人達のために、頑張ろう、ね?」

「…はい。」

 リーフの瞳からはもう涙は流されていなかった。
 代わりに今までにはない彼女の力強い眼差しがあった。
 シュリはそれを見て優しく微笑む。

「じゃぁ、行くよ。」

 彼女達は集団墓地を後にする。
 そしてシュリは真直ぐ前を向いて歩くリーフを見て思っていた。
 アイサが託した想いだけは、絶対に潰えさせはしないと。
 自分たちのようなことは、もう十分だ…と。

 そしてシュリがリーフから目を戻そうとした瞬間、リーフが驚いたように言う。

「…煙?」

 シュリも慌ててリーフの視線の方に目をやる。

「あれは…何かが燃えている煙だわ、急ぐよ!」


The end of the DragonRaja, の最初へ The end of the DragonRaja,  55 The end of the DragonRaja,  57 The end of the DragonRaja, の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前