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王様じゃんけん
【幼馴染 官能小説】

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キングサイズのベッドの上で<中編>-4

母との電話を切り、いっそう頬を赤らめる私。
ユイと言いおばさまと言い、そして我が母親もまた手放しで私と隆の仲を認めすぎだ。
皆、ひとりの女として私の幸せを願ってくれているのはありがたいけれど、
本人としては余裕の欠片も見あたらないわけで…………

(こ、このまま私…… 流されちゃってもいいのかな…………)

そんな一抹の不安を感じながらも、どこか身なりを気にしては、
刻一刻と過ぎゆく時間を、胸が張り裂けそうな思いでじっと待つ私。

(汗臭くないかな? わ、私も…… シャワー浴びなきゃなぁ…………)

そんな事を考えながら、ふと浴室の方へと目を向けると、
沸き立つ湯気の向こう側、気持ちよさげにシャワーを浴びている隆の姿が、
突然、私の目の中へと飛び込んできた。

(えっ………… う、ウソ? ここのお風呂って………… が、ガラス張りだったの???)

電話に夢中で全然気がつかなかった。
こういうホテルではそういう所も少なく無いと聞いてはいたけれど、
いざ目の当たりにすると、なんだか思っていた以上に淫靡だ。

(これってつまり………… 私がシャワーを浴びてる姿も見られるって事じゃない…………!!!)

いまさらながら、ここがそういう場所だと言う事に気づかされる私。
シャワーは絶対浴びたいけれど、その姿を見られるのは恥ずかしい。
隠れられそうな場所も見受けられないし、せいぜい出来るのは…………

私はベッドの上にある大きな電飾パネルをじっと見つめながら、
照明と書かれたボタンを恐る恐る弄り始めた。

「おわっ! なんだなんだっ!!!」
「あっ、ごめんっ…………」

(そっか…… これを弄れば灯りを暗くする事が出来るんだ………… でも…………)

いかに電気を消そうと、私がシャワーを浴びている最中に隆が弄れば丸見えなわけで、
絶対に弄るなと言えば隆はちゃんと言う事を聞いてくれるのだろうけれど、
なんだかここまで来てそれも…………

暗闇のなか、しばしそんな事を考えるも、
ふとユイの言葉を思いだしてはハッとする私。

──頭で考えるばかりがすべてじゃない

確かにいつも私は行動より先に頭で物事を考えてしまっている。
それは失敗を極度に恐れる私が、私なりに選んだ生きる術でもあるのだけれど、
だからこそ成し得なかった、だからこそ知り得なかった事が多々ある事もまたわかっている。

(そうだねユイ…… ここまで来て私、何をごちゃごちゃ考えているんだろうね?)

私は意を決してその場に立ち上がると、
そっと胸のボタンを外しては服を脱ぎ捨て、
大きく深呼吸をしては浴室にいる隆のもとへと歩んでいった。


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