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no title
【サイコ その他小説】

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その作者にはあと二本、作品があり、それは『観察日記』の続編であることが解った。
読んだ。
吐いた。
ケータイを持ったまま片手にトイレへ駆け込み、食物を胃から吐き出す。破棄出された嘔吐物をコックを捻って下水道に送る。
なぜ吐いた?
簡単だ。
簡単な理由だ。
描写が生々しすぎた。
何を思ったのか、もしくは何も思っていないのか、少年は新たに殺した一人の人間をバラバラに解体した。
五肢と胴体は、六つのパーツに、別れる。六つのピースに、切り分ける。白い白い骨が見える。
赤い赤い血が見える。
同じく、赤い赤い肉が見える。
まるで目の前にあるような感覚。
読み手の想像力を限界まで引き出させるような文体。
グロい。
グロいな。
何よりグロいのは、少年に自分をトレースしてしまう自分。
自分は人を殺したと思い込んでしまう幻覚。
自分は人を殺したいと思い込んでしまう錯覚。
トイレの便座の前でケータイを握り締め、同じ話を何度も何度も読み返す。
殺人風景が見える。
ナイフが刺さる音が聞こえる。
吹き出した血が臭う。
吹き出した血を舐める。人を刺した感覚が指に伝わる。
幻覚だ。
錯覚だ。
失格だ。
人を殺した人は人じゃない。不適格だ。
それでもいい。
先に進みたい。
壊れてもいい。
人じゃなくてもいい。
三本目の作品を読んだ。全身が総毛立つ。
少年は遂に、フリーハンドで人を殺した。
少年はまず始めに指で両目を潰した。
それだけでも致命傷だが、死にきれはしない。
爪を剥いだ。
間接を外した。
骨を折った。
髪を引き抜いた。
歯を割った。
内臓を潰した。
最後に首を絞めた。
と言っても、すでに被害者は死んでいたようだが(笑)
それで、少年は何をしたかと言うと、死体を食った。
人食。
浸蝕。
食べてはいけないとされる、脳味噌や骨髄といった、神経系まで食った。うまかったのか、不味かったのかは、分からない。
書いておいて欲しかった。教えて欲しかった。
今日はそのまま、風呂にも入らずに寝た。
興奮していたはずだが、すぐに眠りに落ちた。
夢を見た。
起きたときには、忘れていた。
今日も学校はある。
制服に袖を通して、支度をする。
ナイフを鞄に入れた。
気分は悪くない。
いつもは気分が悪くなる電車の中も、今日は気分は悪くない。
周りがどうしようもなく下らなく見える。
どうして彼等は生きてるんだろう?
その意味が分からない奴は死ぬべきじゃないか?生きる意味。自分は分かっている。
生きる意味が無い人間を殺す…………いや、廃棄すること。
生きる意味が無い人間に意味は無い。意味が無い人間に意味は無い。
意味が無い人間に意味は無い人間に意味は無い人間が意味は無い人間は意味の無い人間は意味は無い人間が意味は無い人間に意味は無い人間は

この世にいる意味は無い
と、思う。
だから殺人じゃない。
意味の無く物は邪魔なだけだ。無用長物は棄てても構うまい。
学校に着いても。変なことばかり考えていた。
効率の良い殺し方や、教室にある凶器になりえるもの。
それに意味の無い人間。考えた結果、教室に居る全ての人間に意味は無く感じられた。
学校の帰り道、部活をサボりフラフラしていた。例の小説を時たま読み返しながら、適当に歩いていた。
周りはすっかり暗くなっていた。
そこで気付いた。
作者BBSに送った感想に、返事がきていた。内容は
『ご感想、ありがとうございます。これであなたも人を殺せる壊れた人間ですね』
「ええ、全くです」
見えない作者に返事をした。
左手に持ったケータイは暗闇の中で不気味に光る。
右手に持ったナイフは勿論、赤い赤い血が付着している。


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