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王様じゃんけん
【幼馴染 官能小説】

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キングサイズのベッドの上で<前編>-2

「お姉ちゃんひとり? こんなトコ座ってないで俺たちと遊ばない?」
「結構です! 間に合ってますからっ」
「そんな連れない事言わないでさぁ……」
「やっ! は、離すのです! 間に合ってると言っているでしょう?」

思わず時間を忘れるほどに、隆と浜辺で戯れていると、
何やら二人の男がユイの手を掴んで揉み合っているのを目にした私。

「何してるのっ!!! 私の連れに何か用!?」

濡れた髪を掻き上げながら、慌ててユイの元へと足を向けると、
ユイがはね除けるように男の手を振り払っては私の元へと駆け寄ってきた。

「おぉ〜 こっちの姉ちゃんは偉く挑発的な恰好してるじゃん?」
「な、何よっ」
「いいじゃんいいじゃん、こっちも二人なんだから一緒に………… ぐはぁっ!」

そう言って私の手首を掴もうとする男に、
私が抵抗を示そうとするや、
突然、有無を言わさず長い脚で蹴りをいれる隆。

その形相は普段の隆からは想像もつかないほど怒りに満ちており、
我が彼氏ながらちょっとだけ近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。

「てめぇっ! いきなり何を……」
「あ? 誰だよおまえら? こいつらに指一本触れやがったら…………」
「…………指どころか私はすでに手首を捕まれたですけど?」
「なん…… だと? てめぇ…………」

ユイの言葉にいっそう語気を荒げると、
ナンパ男達をジロリと睨み付けては、ゆるりと一歩足を踏み出す隆。

普段、私の前ではいつも優しい顔しか見せないから特に気にした事もないけれど、
180cmを越える身長に意外と引き締まったその体を見てると、
他人からしてみればあまり関わりたくないタイプの男と言えなくも無い…………

「ちょ…… いや、連れがいるとは知らなかったから…………」
「そ、そうそうっ いると知ってたら…… なぁ?」
「…………私は何度も間に合ってるといいましたが?」

ユイの茶々入れに、いっそう隆が男達を睨み付ける。
その形相たるや(略

「ひぃ…… す、すいませんでしたっ」

一瞬のスキをついて、慌ててその場から立ち去る男達。
隆は特に追いかけようとはしなかったが、
その背中が見えなくなるまで、じっと男達を睨み付けていた。

「隆? もういいですよ? もう平気だからその恐い顔やめるです……」
「ん? ああ…… 大丈夫だったか二人とも…………」
「私は全然大丈夫だけど………… ユイは? その…… ホントに大丈夫なの?」

私は男性恐怖症であるユイを必要以上に心配した。
その度合いは本人にしかわからないであろうけれど、
ああして強引な輩に絡まれるのは、普通でも精神的にまいってしまうものだから…………

「大丈夫です♪ や、正直恐かったですけど…… 姉様と隆がすぐに助けてくれたから……」
「ホントに? ゴメンねひとりにしちゃって…………」

なんて事はないただのナンパではあるが、
それでも私はユイを過剰に案じては、思わずその場でギュッと抱きしめていた。

「ね、姉様…… 苦しいです…………」

その姿を呆気にとられポカンと見つめる隆。

ユイは少し照れくさそうにしながらも、
小さな手のひらでぺたぺたと私の背中を叩いては、嬉しそうに頬を擦り寄せていた。


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