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Twin's Story 9 "Almond Chocolate Time"
【近親相姦 官能小説】

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メイド・ハウス-1

 10月。葉を黄色に染めたプラタナスの枝のあちこちに丸い愛らしい実が付き始めた。日本名で「鈴掛の木」と呼ばれる所以(ゆえん)だ。
 「いよいよ来週の月曜日に『採れたてアーモンド限定品』の発売開始やで。」ケネスが言った。
 「今年は発売40周年の記念すべき年やな。」シヅ子が今までと同じアーモンド入りチョコレートのパッケージに『40th. Anniversary』と特別に書かれたものを一つ手にとって感慨深げに言った。
 「お義母さん、どうして毎年10月の第2月曜日に発売開始なんですか?」
 「それはな、マユミ、その日がカナダの感謝祭やからや。」
 『シンチョコ』の店内には、ピンクのメイド服を着た春菜が客の相手をしていた。数人の若い男が彼女を取り巻いている。
 「わいの思惑通りやったな、」ケネスが全面ガラスで隔てられた自分のアトリエに入ってきて、その様子を見ながら、満足そうに言った。
 「いやあ、あれほどだとは・・・。」健太郎がステンレスボウルのチョコレートを湯煎にしながら言った。
 「そやけど、愛想ええで、春菜さん。よう似合うとる。」
 「確かに。」
 「普通、あんなん着てたら浮くもんやけどな。見事にうちの店にはまっとるやんか。」
 「新たな看板だ。だけど、」健太郎が、もう一人のメイド服の娘に目を向けた。
 「あれもなかなかだね。」
 「ほんまやな。まさか真雪もあんなカッコするとは思わへんかったわ。」
 真雪は鮮やかなスカイブルーのメイド服姿で、違う男たちに囲まれていた。
 「いよいようちもメイド喫茶の看板を上げる時がきた?」
 「客があの娘らに、いやらしいことせえへんようにちゃんと見張っとくんやで、健太郎。」
 「大丈夫。そんなこと、俺が許さない。」
 「ほな、レジ頼むわ。わい、ザッハトルテ仕上げてしまうよってにな。」
 「わかった。」
 健太郎はネクタイを締め直してレジに立った。春菜がちらりと健太郎の方を振り向いた。健太郎は小さく手を振った。春菜はにっこりと笑った。健太郎はその愛らしい表情を見て、またその口に吸い付きたくなる衝動に駆られるのだった。真雪は顔を少し上気させた健太郎を見て、やれやれと一つため息をついた。彼女は、発売間近の今年の新作、期間限定採れたてアーモンド入りチョコレートの試食品が乗せられたトレイを持っていた。
 健太郎の前にビームサーベルスタイルでバンダナを頭に巻いた若い男が立った。
 「いらっしゃいませ。」健太郎は笑顔で言った。
 「あ、あの、ピンクのメイド服のあの子、何て言う名前ですか?」
 「『春菜』と申します。」健太郎は笑顔で言った。
 「じゃ、じゃあ、あっちの蒼い服の子は?」
 「『真雪』と申します。」健太郎は笑顔で言った。「お気に召されましたか?」
 「は?え、い、いや・・・。」
 「いつも店にいるわけではございませんが、これからも、どうぞご贔屓にお願いしますね。」健太郎は満面の笑顔で言った。
 男はそっと恥ずかしげに二つのアソートチョコレートの箱を差し出した。その箱の片隅にはピンクのメイド服の眼鏡をかけた少女のキャラクター『ルナ』が印刷されている。そしてもう一つには蒼い服のキャラクター『マユ』。
 「中身が微妙に違いますが、よろしいですか?」健太郎が笑顔で言った。
 「は、はい。知ってます。」男はうつむきがちにそう言った。「でも、どちらにもアーモンド入りチョコ、入ってるんですよね。」
 「よく御存じですね。」
 「ぼ、僕の母が好きなんです。ここのアーモンド入りチョコ。」
 「それは光栄です!」健太郎は心から嬉しそうな顔で言った。
 「じゃ、これ。」男は代金を支払った。
 「どうもありがとうございました。」健太郎は深々と頭を下げた。
 包装され、かわいらしい紙袋に入れられた二つのアソート・チョコレートを受け取った男は、そそくさとレジを離れた。そして店の玄関で立ち止まり、ちらりと春菜と真雪を見て、少し赤くなってすぐに出ていった。


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