投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ビーマイベイベー!
【性転換/フタナリ 官能小説】

ビーマイベイベー!の最初へ ビーマイベイベー! 3 ビーマイベイベー! 5 ビーマイベイベー!の最後へ

ビーマイベイベー!-4

 わたしは、そんな彼とは真逆な性格だろう。
 真逆だったが、何故か気になり、それとなくつきまとうようになった。
 最初はからかったり、ちょっかいを出していたのだが、次第に好意を持つようになった。
 中学の終わりにわたしが告白して、なんとなく交際が始まり、高三の今に至る。

「お前のフリをしながら、女として生活しろっていうのか?」
「仕方ないでしょう? わたしだって、男のフリしなきゃいけないんだから」

 そう言いながら、わたしはシノブのフリをするのはわりと楽だなと思っている。
 だって、この男は口数が少ないんだから、学校でも黙って座っとけばいいのである。
 あまり交友関係もないし、彼の家族についてもおおよそ把握していた。
 
 問題は、シノブがわたしのフリを出来るか、という事に尽きた。
 わたしは結構よく喋る方で、そこそこの交友関係があった。
 無口な男がわたしのように振るまうのは相当に辛いはずで、わたしもそこを懸念した。
 しかも、男が女のフリをするのである。
 昔のサムライのような性格のシノブに、それが出来るのか、いよいよ不安になった。

「ねぇ、シノブ……そのジャージは何で着てるの?」
「何でって……他に着るものが無かったから」
「明日から学校に何を着ていくつもりなのよ?」
「それは……学校くらい、休んでもいいだろう?」
「馬鹿言わないでよ、わたし皆勤賞かかってるんだから!」
「……くだらない」

 わたしは、少しムカッときた。小中高と皆勤賞なのは、さほど何か取り柄があるわけでもないわたしにとって進路上、重要なウリなのである。
 シノブにそこを潰されるのは絶対に避けなければならない。

「わたしの制服、ここにあるわ。あと、下着はこの棚の中に……」
「おい、やめろよ、恥ずかしい奴だな」
「明日から着て行けって言ってるのよ! 着け方、わかんないでしょう?」
「いやだ」
「……聞き分けの無い男ね、いいから、そのジャージ脱ぎなさい」
「いーやーだ!」

 わたしの中のどこかが、ブチッと切れた。
 その瞬間、わたしはシノブの体を(わたしの体だが)取り押さえて、ジャージを無理やり脱がせた。
 思えば今のわたしは男のシノブの体なのだ。抵抗されたが、難なく組み伏せる事が出来た。
 なんとわたしの腕力の弱いことか。あるいは、シノブの力の強いことか。
 シノブは自分の(というか、わたしの)腕力の無さに絶望していた。
 そうして、諦めたのか、わたしの指導を受けることになったのだ。

「……さ、これで、大雑把には教えたわ。ブラ、自分で着けられる? スカートは横のファスナー締め忘れたりしちゃ駄目よ?」
「…………」

 シノブはわたしの制服を着た姿でプリプリ怒ったまま、何も喋ろうとしない。
 
「そんなに怒んないでよ、着け方わかんないと困るのはシノブなのよ?」
「明日から、筋トレする。お前、弱すぎる」
「ちょっと、やめなさいよ! それわたしの体なんだから!」

 そんなこんなで、シノブとの第一回の打ち合わせは終わった。
 まだまだ打ち合わせしなければならない事は多々あったが、一気にやるのは無理だ。
 徐々にやっていくしかない。そうしていくうちに、元の体に戻れるだろう。
 それを、信じて。


ビーマイベイベー!の最初へ ビーマイベイベー! 3 ビーマイベイベー! 5 ビーマイベイベー!の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前