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jealousy
【制服 官能小説】

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jealousy-7

体育倉庫の隅に一つだけ転がったバスケットボール。


――広瀬ー、そんなん一年にやらせろって。早く帰ろうぜー。


仲間が、一人黙々とバスケットボールを磨く俺の背中に声をかける。






ああそうだった、ここは羽衣と筒井だけの思い出の場所じゃない。


俺だってここで汗を流した後、一人残って練習をし、適当に片付けられたボールやスコアボードなんかを黙々と整頓していたっけ。


バスケ部の他の連中はそつなく与えられた練習メニューだけをこなし、ただただそれが終わるのを待っているような奴らだった。


一人で練習するのは嫌いじゃなかった。


あの頃、将来のこととか考えずに夢中でボールばかりを追いかけていた。それだけで幸せだった。


そんな俺をコイツは知っていたのか。


「広瀬って、普段はバカでスケベで、しょうもない男なんだけど、バスケしてる時だけ人が変わったようにカッコよくなるんだよね」


「え……?」


「あたしね、そんな広瀬のバスケしてるとこがたまらなく好きだった。

ここに連れてきたのは、もう一度ボールに触った広瀬を見たかったからなんだよ」


ゆっくり振り返って羽衣の方を見れば、飛びっきりの笑顔をこちらに向けていた。


「まあ、なかなか気持ちを打ち明けられなくて別の人と付き合ったりしちゃったけど、あの時もっと勇気を出していれば、制服姿で肩並べて歩いたり、バスケの練習に付き合ったりできたのかなって、そんなこと考えていたの」


はにかみながら髪をいじる羽衣がたまらなく愛おしくなり、俺はギュッと彼女をキツく抱きしめた。


「羽衣、悪かった……。嫉妬してたからとはいえ、あんな自分本位に抱いてしまって……」


「あたしを想ってくれたからでしょ? だから全然ヒドいと思ってないよ!

でも、悪いって思っているならさ……」


何やら悪巧みをしているような顔に、少々ビビってしまう。


そんな俺の腕をグイッと組んできた彼女は、


「今から広瀬ん家戻って、制服着てそのままデートね」


と俺の頬にキスをした。





〜終〜


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