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王様じゃんけん
【幼馴染 官能小説】

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女王様の命令は絶対です <前編>-4

「ごめんね? なんかいつも…… その………… 擬似的な事ばかりと言うか…………」
「…………姉ちゃん謝りすぎっ! なんだってそんなに気弱になってるのさ?」

隆の言葉に困ったような笑みを浮かべるも、
どうにも上手く言葉を紡げなくて溜息をこぼす私。

そんな私を見て何を思ったのか、

「そうだ! 夏が終わっちゃわないウチにさ………… 海でも行かない?」
「え? な、なぁに突然?」
「いや、こうして二人っきりでいられるのもそりゃ嬉しいんだけどね? たまには遠出も良く無い?」
「そ、そりゃ…… 構わないけど………… それでも二人っきりに変わりはないんじゃない?」
「あ、あれ? そうか………… はは、そういやそうだな………… あははは!」

そう言っては頭を掻きながらひとり馬鹿笑いする隆。
隆が私に気を使ってくれているのはわかってる。
きっと隆なりに私をリラックスさせてくれようとしているのだろう。

「そうねぇ…… じゃぁユイちゃんでも誘おうっか?」
「へ? なんでまたユイ?」
「だって共通の友達ってユイちゃんくらいじゃん…… それとも誰か私の知らない男の子でも誘う?」
「いやいやいや! ユイで充分!ユイにしよう!!!」

ちょっぴり意地悪な事を言う私にやたらと慌てる隆。
前々から気づいていたけど、どうも隆は私を男友達に会わすのが随分とイヤらしいのだ。

「ねぇなんで会わせてくれないの? 紹介するの恥ずかしい?」
「違う違うっ! 別に恥ずかしいとかじゃなくてさ…………」
「じゃあ何よ?」
「それは………… よ、よりにもよって姉ちゃんの水着姿を見せるなんて…………」
「え? そ、そんなに私………… スタイル悪いかな?」
「ち、違っ! もうっ………… とにかくっ 今回はユイを誘おう? ねっ?」

呆れたように溜息をつきながら、善は急げと早速ユイにメールをする隆。
後で聞いた話によると、どうやら自分でもまだ見て無い私の水着姿を、
男友達なんかに見せたくなかったとかなんとか。
もちろん鈍すぎる私には到底伝わらなかったのだが…………

「…………今週末なら行けるってさ」
「え? もう返事来たの?」
「うん、あと『水着買いたいので姉様一緒に見に行きませんか?』だって」
「あ、そういや私も買わなきゃだわ! ねぇ『いつ行こうか?』って聞いてくれる?」
「なんか面倒だな………… ユイにメルアド教えていい? 直接話した方が早いだろ?」
「そうだね、じゃ、後でメールしてってだけ伝えておいてくれる?」

二つ年下で隆の元カノでありながらレズっ子美少女のユイ。

普通ならあまり仲の良い関係にはなりそうにも無いけれど、
不思議と私とユイはどこか気が合うみたいで、
その日の夜も早速ユイからメールをもらっては、
買い物に行く日取りはもちろん、随分と長い時間、雑談に興じていた。


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