投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

遠回りの幸せ
【その他 官能小説】

遠回りの幸せの最初へ 遠回りの幸せ 7 遠回りの幸せ 9 遠回りの幸せの最後へ

遠回りの幸せ-8

『・・・・ん?』
肌寒く感じ、目が覚めた。隣には、静かに寝息を立てている彼女がいた。どうやら12時間以上眠っていたらしい。もう、夕方だった。
『・・・・したんだよなぁ。愛美と。』
今更ながら、実感が湧いてきた。彼女を起こさぬ様、テーブルの上のタバコに手を伸ばす。
…カキンッ!
ライターの音が、やけに大きく響いた。
『ふう〜っ。』
可愛い寝顔。愛おしくなって頭を撫でた。髪の毛は乱れまくり。多分、俺もそうなんだろう。
『愛してるよ・・・・愛美・・・・』
おでこに軽くキスをした。
『・・・・ん、うぅん。』
気だるそうに、彼女が目を覚ました。
『あっ、ごめん・・・・
起こしちゃった!?』
『おはよぉ、明人。イイんだよ、目が覚めたんだから。』
満面の笑みで俺に答える。抱きついてくる彼女。額を胸にこすりつける。
『しちゃったね・・・・』
『・・・・あぁ。』
素っ気ない会話。でも、今の俺達にはそれだけで充分だった。ここまで長かった。色々と聞きたい事がある。一年前のホテルでの事。空白の一年間の事。昨晩の心境。でも今、一番聞きたい事はこれだけ。
『愛美・・・・』
『ん、なぁに?』
『今晩何食べたい?』


遠回りの幸せの最初へ 遠回りの幸せ 7 遠回りの幸せ 9 遠回りの幸せの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前