投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

『The girl & boy』
【その他 その他小説】

『The girl & boy』の最初へ 『The girl & boy』 4 『The girl & boy』 6 『The girl & boy』の最後へ

『The girl&boyU【in girls dream】』-1

その一瞬間は、何を思う間も無かった。



もう一瞬後、さっき目の前をよぎった飴色の閃光の意味を、ようやく怠惰な頭が理解した。




一直線に空を切り裂く、刃先を見ていたのだと知った


今更ながら、惚れ惚れするようなナイフ捌きだと思った。





死ぬのだ、と思った。




ざく、と燃え盛る炎の中でも良く通る、鈍い異音。



こちらに向かっていた刃先は、一体どの辺りに埋まったのか。


何と無く、両手を広げてみた。


うつむいた視線の先には、早くも暗褐色の血溜りが出来ていた。



近くに転がったナイフの柄が見えて。


その周りも、液体はするすると囲っていった。





「形見だよ」





突然に聞こえて来た、びっくりする程の、優しい声。


あまりにも現状に不似合いな声音に、理解は追い付かない。



ただとっさに男の声だとだけ分かって、男の方を見た。


目の前にあったのは、男の真っ赤な右手だった。


オレンジの光に照らされ、てらてらと光る右手がこちらに差し出されていて。



こんな状況下でも、思わず見惚れてしまうくらい。


穏やかに微笑んだ男の目が、私を見ていた。




『The girl & boy』の最初へ 『The girl & boy』 4 『The girl & boy』 6 『The girl & boy』の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前