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Twin's Story 8 "Marron Chocolate Time"
【学園物 官能小説】

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-1

 夏休みが終わり、新学期が始まった。
 学校の生徒用玄関を出たところで夏輝と修平は、先を歩いていた真雪に声をかけた。
 「おーい、真雪っ。」
 真雪は振り向きもせず歩いて行く。
 「おーいっ!そこのっ!シンプソン真雪ちゃあん!」
 真雪は眉をひくつかせ振り向いた。「なあに?しゅうちゃん。」
 「無視してさっさと歩かないでよ。冷たいなあ・・。」夏輝が言った。
 「あのね、」真雪はつかつかと二人に近づいた。「そんなやって二人で仲良く歩いている人たちに関わるのはごめんなの。わざとしらんふりしてたのがわかんないかな。」
 「へえ、気、遣ってくれてんだ。」
 「いや、迷惑だって言ってるの。それにしてもあなたたち、いっつも喧嘩してるくせに、いっつも一緒にいるんだね。」
 「ま、一応恋人同士だからね。」夏輝が少し照れて言った。
 「ごちそうさま。で、何か用だった?」
 「頼まれてくれ、真雪。」修平が妙に真剣な顔で言った。
 「何を?」
 「『海棠スイミング』のご夫婦を紹介してくれないかな、正式に。」
 「え?ケンジおじとミカさんを?」
 「俺たち二人、今深刻な悩みを抱えている。」
 「し、深刻な悩み?」
 「あのご夫婦にご相談申し上げたいことがあるんだよ。」夏輝もいつになく真面目な目で言った。
 「い、いいけど、どんな悩みなの?」
 「聞きたい?」
 「言いたくなければ別に。」真雪は冷たく言って背を向け、歩き始めた。
 「あーっ、真雪っ、」夏輝が真雪の袖を引っ張って引き留めた。「ごめんってば。言う、言うよ。」
 手を放した夏輝の代わりに修平が真雪の手を引いて、自転車置き場の隅に連れ込んだ。
 「何、何なの?いったい・・・。」
 「俺も、夏輝も、いまだにエッチの仕方がわからねえんだ。」
 「ええっ!」真雪は驚いて大声を上げた。「な、何よ、それ!」
 「キスさえまともにできねえ。もう切実だ。」
 「だからさ、」夏輝が真雪の耳に口を寄せた。「あのご夫婦に指南していただきたくて・・・。」
 「そ、そんなこと、頼めるわけないよ。」
 「じゃああんたが教えてくれる?経験済みなんでしょ?」
 「なっ!なんてことを!」
 「違うの?」
 「な、なんであたしが経験済みなのよっ!」真雪は真っ赤になって早口でまくし立てた。「なにを根拠にそんな!」
 「だって・・・・。あんた最近すっごく可愛くなってきてるし・・もしかしたら彼氏がいて、毎晩のように可愛がってくれてるんじゃないか、って思ったんじゃん。」
 「そっ、そんな、変な想像しないでよっ!毎晩なんて身が持たないよ!」
 夏輝が上目遣いに真雪を見て言った。「やっぱり可愛がってもらってるんじゃん。」
 「と、とにかくっ、」
 「じゃあ、紹介してくれる?」
 「い、一応、訊いてみるよ、ミカさんに。」
 「ほんとに?」
 「だめだったら諦めなよ。」
 「やったー、ありがとう、真雪。」
 「よっしゃあっ!これで俺たちもやっと満足できるエッチができるってもんだな、夏輝。」
 「しゅうちゃんっ!」真雪がまた叫んだ。「露骨すぎだよ。」


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