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倖せのエッセンス
【熟女/人妻 官能小説】

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平凡な暮らしの中で-9

 声が聞こえた。それで、目が覚めた。女の喘ぎ声だ。
 俺は、しまったと思った。
 マイとは途中だったし、ユウコの話もあったので、頑張ってみようと思っていたのだ。
 だが、風呂に入ってしばらくすると、いつの間にか眠ってしまっていた。
 
 奮発して買ったダブルベッドの脇で、マイが声を殺して喘いでいる。
 振動音が聞こえた。以前に、冗談半分でアダルトショップに二人で入った時に買ったものだ。ローターとバイブを買ったが、マイはこんなの使わないと拒否していた。
 今、自分の妻が、そのローターを使って自分を慰めていた。
 俺が眠ってしまったばかりに……。
 実は、こういうシーンには既に何度か出くわしている。
 だが、ローターを使っているのを見たのは、初めてだった。
 
 あいつ、自分であれ使ってたのか……。
 今更起きて、自慰中の彼女とセックスするのは、何か間が悪い気がした。
 それで、寝たふりを決め込む。マイは、寝た状態で俺には背を向けている。
 あ、あ、とくぐもったような高い声と、低い振動音が俺の耳に流れこむ。
 しばらくすると、ビクンと彼女の小柄な体が大きく揺れて、フーッと大きな溜息が聞こえた。
 バイブを止めると、彼女が起き上がった。俺は相変わらず寝たふりだ。
 後始末の為か、どうやら洗面所に行ったようだ。
 薄目を開けて、彼女の小さな背中を見送りながら、俺は少し申し訳ないと思った。


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