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ポテトサラダができるまで
【コメディ 官能小説】

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ポテトサラダができるまで-2

 いよいよ、その時がやってきた。無法者の巨大な手が、野菜室の中から無造作に彼女をつまみ上げる。残された野菜たちは、悲しげな目で彼女を見つめるばかり。同じ運命をたどるであろう仲間たちと、さよならの挨拶を交わすことさえできない。そのことを悔やみながら、彼女は背中で扉の内側に別れを告げた。

 いったい、わたしはどうなってしまうの?

 覚悟を決めたとはいっても、まだ若い彼女に一切の不安を捨てろというのは土台無理な話である。呼吸さえ止まってしまいそうな緊張感の中で、まず彼女に課せられたのは水責めに耐えることであった。

 真上からざぶざぶと浴びせられる冷水に、彼女の肢体は打ち震えた。うっすらと彼女を守るように覆っていた故郷の土が根こそぎ洗い流されていく。それは故郷に残る父母への裏切り行為のようにも思えて、彼女は心の中で泣きながら両親に詫びた。

 ごめんなさい、おとうさん、おかあさん……こんなことになってしまって……

 綺麗に洗われてしまった彼女に残されたのは、もうその体にぴったりと沿った下着代わりの薄皮1枚だけである。恥ずかしさに身もだえする思いがした。こんな格好、誰にも見られたくない……そんな願いもむなしく、残酷な運命はさらなる試練を彼女に与えるのだった。


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