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淫習の村〜触手に捧げられる花嫁〜
【ホラー 官能小説】

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結婚前の儀式……?-3

 山道の悪路を進むにつれて、恭介は上機嫌になっていった。済んだことを気に病んでも仕方が無い。気持ちを切り替えるために、わたしは前々から一度聞いてみたいと思っていた疑問を口にした。

「ねえ、恭介。いまさらこんなこと聞くのも変だけど……わたしのどういうところが気に入って結婚しようと思ったの?」

「どういうって?」

「ほら、わたし……そんなに目立つほうじゃないし、顔もスタイルも自信ないし……でも恭介は、……悔しいけど、女の子にすごくモテるよね。選ぼうと思えばいくらでも結婚相手を選べたんじゃないかなって思うんだけど……」

 わずかな沈黙の時間がとてつもなく重苦しいものに感じる。耐えきれなくて視線を彷徨わせる。エンジン音をかき消すほどの風が窓の外でごうごうと鳴る。木々を大きく左右に揺らす。木の枝が擦れ合う耳障りな音が止まない。太陽が厚い雲の裏側へと姿を隠してしまい、あたりに薄闇が広がる。いま、いったい何時なんだろう。ここはどのあたりなんだろう。わたしはこれから、どこへ連れて行かれるんだろう。いくつものささやかな不安が、白い紙の上に落とされたインクの染みのようにじんわりと広がっていく。

 沈黙の後、恭介は運転を続けながら淡々とわたしの質問に答えた。

「選べるから、僕は瑠奈を選んだんだよ。まず、僕の中には結婚相手にするための明確な条件があった」

「条件……?初めて聞いた……」

「条件というと、言葉が良くないかもしれないけどね。まず、結婚相手は僕に対して従順で、素直なひとでなければ困る。いちいちこちらの言葉に反論してくるような気の強い子はお断りだ。そして、僕以外の男性とつきあったことがある子も論外だ。瑠奈はまだ処女だったよね? 結婚前にそういうことを軽々しくするような女とは結婚できない」

「ああ……うん」


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