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Lovers of time〜〜登校編〜〜
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Lovers of time〜〜登校編〜〜-1

12月10日晴れ時々曇り
はぁ…今日もまた同じ1日が始まる…いや、これ比喩じゃなくてマジで!今日は何回目の12月10日だろう?……多分5回目かな?因みに昨日(12月9日と言う意味の)は1回で抜け出せたんだけどなぁ。……どうしたら抜け出せる(次の日に進める)かというと……『指令メール』の本日のクリア条件を満たすこと。『指令メール』と言うのは毎朝7時きっかりに届く宛先不明のメールだ。(何時からこのループの世界にはまったんだっけ…)『指令メール』の条件をクリア出来ないと次の日に進めない。同じ日付だと『指令メール』の内容も変わらない。因みに12月10日の『指令メール』の内容は……

To.差出人不明
Sub.12月10日の指令
本文.
―――クリア条件――――
和興高校3年A組の生徒全員に勝つ事。

――――勝負条件――――
一人一人違う競技、種目、科目で勝負する事。負けは何回でも認められる。尚、今回の制限時間は本日一杯です。

……だ。和興高校3年A組は俺のクラスだ。2回目より3回目、3回目より4回目の12月10日、と確実に勝ち星を増やしている。今回か次回辺りクリア出来そうだ。遅ればせながら自己紹介‥名前は阿波雪修(あなみゆきなが)高校3年生受験シーズンまっさかりだけどそれどころじゃなかったりする……『明日』を迎える事がこんなに大変な人間は俺の他にはいないだろうなぁ…はぁ…

AM7:00 起床。『指令メール』のせいか(と言うより時間のループのせいか)は知らないが毎回きっかりAM7:00に目が覚める。そして手早く準備をして登校。『登校して来た順に勝負を挑み朝の内に勝ちを稼ごう大作戦』を決行するためだ。
AM7:30 学校に到着。2年A組の教室に着いた。ドアを開ける前に大きく深呼吸して(今日こそは!)と意気込む。ガラガラッ。ドアを開けるもまだ誰の人影も見えない。(まぁ五回目だし判ってたけど)あと5分もすれば委員長の高槻李花(たかつきりか)が来るはずだ‥

(ふぅ…やっぱり12月ともなると寒いなぁ。今日は4時に起きたから余計かな?)李花は両手を揉み擦りながら2階への階段を登って行く。高槻李花は才色兼備で早起きが趣味と言う所を除けば普通の女性である。(教室着いたらストーブつけないと。あれ灯油あったかな?)そうこう考えているうちに教室の前につきドアに手をかけた。ガラガラっ。
「じゃんけんポン!」
!?いきなりじゃんけんを挑まれて李花は条件反射的にグーを出した。いきなり現れた『じゃんけんマン』は小さくガッツポーズをしていた。
「あっ阿波君だったんだぁちょっとびっくりさせないでよね!」
「ごめんごめん。まっ勝利をありがとよー」
雪修は笑顔でそう言うとすたすたと自分の席に戻り時計と教室のドアとを交互に見つめていた。(……?阿波君段々おかしな人になってるなぁ……おっと灯油入れてこなきゃっと)李花は自分の机の上に鞄を置き灯油を入れに一階職員室前へと向かうべく教室を出た。
……待つこと3分……次に対戦する(予定)の丸沢太一(まるさわたいち)が教室に入って来た。
「よう丸沢」
「おぉ!?阿波早いな!はぁ…また今日も一番逃したか…」
がっくりと肩を落とす太一。
「高槻も来てるぞ?」雪修がさらりと言ってのけた一言に太一は更にショックを受けたようだ。
「おっ…俺が三番…」
丸沢太一は何より一番が好きな男である。勉強は学年一位を譲ったことはないし、スポーツでも何をやらせてもトップを取るし顔もファンクラブがあるくらいで…嫌味なくらいだが性格も非常に良いため憎めないヤツだ。太一はフラフラと自分の席につきジョーよろしく真っ白になっている。(…よし予定通り太一を落ち込ませれた。こういう時でないと何しても敵わないからな……)挑んだ勝負はオセロ。脳みそが全く回ってない状態の太一を楽々撃破。(よしっ‥!)雪修は小さくガッツポーズをする。
AM8:00 これまでの勝利数25。残14人。雪修は予想以上のペースに満足していた。(よし‥次は昼休みだな‥昼飯食べて‥5勝はしたいな‥)右手で頬杖をつき外を眺めながらぼんやりとそう考えていた。


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