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翼の記憶
【ファンタジー 恋愛小説】

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口付けの意味-1

「お父様・・・エクシス・・・」



寂しそうに俯くアオイをティーダは見下ろす。




「ひとつ聞きたいことがある」




顔を上げるアオイの顎をティーダは掴んだ。
親指で唇に触れる・・・。




「・・・俺以外の男に口付けされたことは?」




「え?」




口付け・・・キュリオの優しく激しいキスやエクシスとの夢でのキスを思い出し、アオイは耳まで真っ赤にして手を振った。




「お、お父様は愛情表現・・・と、としてだし・・・エクシスは、ただ確かめただけ・・・で・・・っそのっ・・・!!」



(お父様を男性として好きだなんて・・・ここで宣言することじゃない、ないよね・・・)




「・・・ふたりとも唇にか・・・?」




「そ、それが何か・・・っ!?」




恥ずかしさでアオイはパニックになった。




聞いたマダラが沈黙している。




「・・・・・・」




「・・・あいつら本気だな」




「・・・?」




意味がわからないアオイは黙る二人を見比べていた。




「王が女に口付けをする意味は1つしかない。求愛というより・・・求婚だ。永遠にも等しい王の命のなか、たった一人だけの女を愛し続けるって誓いだよ」




アオイの動きが止まる。
事の重大さに恥ずかしさなどどこかへ行ってしまったのだ。




「・・・千年王のエクシス殿とてその意味を忘れるはずはあるまい・・・」




「・・・エクシス殿に触れられるのか?王でなければ触れることすら叶わないはずだが・・・」




「夢でですから・・・よくわかりません・・・」




「・・・夢とて同じ、エクシス殿の夢に立ち入ることが出来る時点でそなたは普通ではない・・・」




目を閉じながらマダラは言った。
先程みた白い翼を持つこの少女の謎が少しずつカタチとなっていく。




「キュリオと血が繋がってないってのは本当なんだな?」




キュリオと本当の親子ならば全てつながる・・・ギリギリ可能性のようなものがあるからだ。エクシスと触れる、夢に出入りする・・・キュリオの口付けさえただの親子での愛情表現というならばそれはそれで好都合だ。




「はい・・・お父様と血の繋がりはありません・・・・・・」




また寂しそうにアオイは俯いてしまった。





マダラはじっとアオイを見つめていた・・・。








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