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「未来日本戦記」
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「未来日本戦記」-1

現代より数百年も未来の話である。
人類の化学は進化し、人間の肉体を強化する薬が作られた。
これは環境が過酷になろうとも耐える事ができる肉体を造るために作られた。
しかし、その効果の他にも、体に変化が起きる。
それは、人間離れした力を得られる事。
力を得た者を「得し者」と呼ぶ。
その中に、その人々をも越える力を持った者が現れる。
それを「越えし者」と呼ぶ。
さらに日本は、劇的な変化をする。
化学技術が衰え、行政が危うくなった日本は、日本だけの「ある芸術品」を世界や国内に売り、行政を整える政策に出る。
芸術品は「日本刀」

そして国内の何処でも簡単に手に入れる事ができる刀は、いつしか人々が持ち歩くようになる。
「銃刀法違反」は「銃火所持法違反」へと変わり、帯刀が許可される。
日本に再び帯刀時代が訪れた。
…それがいけなかった。
日本のあちこちで刀による喧嘩や事故が相次ぎ、治安が悪化した。
「得し者」「越えし者」に刀を与えたのは、まさに虎に翼。鬼に金棒を持たせるような事である。
警察はその者達を鎮圧できず、そのうち警察という存在はあってないような物になってしまう。
日本は変わった。
人は都道府県ごとに争いを始め、領地を奪い合い始める。

それを止める者は、国は、誰もいない。
日本が混沌の極みに入り始める、
日本再建は、絶望に思われた。

ここに「越えし者」が四人いる。
それは皆高校生。
その中の、前が開いた学生服を着た男が口を開く。名は龍(リュウ)。
「けっ。こんな世の中、馬鹿の馬鹿らしいぜ」
それに、白い着物を着た女が答える。名は舞(マイ)。
「文法おかしいから」
さらに、ズボンからワイシャツを出した男が言う。名は漆(ウルシ)。
「言いたい事は分かるけどね」
最後に、目を閉じ、きちんと学生服を着こなした男が同意する。名は心(シン)。
「うむ、そうだな」
最初の男が確認を取る。

「いいか、ゲーム開始は二時。それまでに目的地着かなかったヤツは、そいつのせい」
「自分は移動しないくせに」
龍に舞が言う。
「じゃんけんで決まったんだ、文句言うなよ」
「自信がないのか?」
心が舞に問う。
「…文句はない、自信はある」
舞は頬を膨らまし、口を開かなくなる。
「漆と心ちゃんも文句ないよな?」
「いいよー」
「無論」
漆は右を向き、心は左を向き、舞は真っ直ぐを向く。
「よし、行け!」
龍の言葉と同時に、三人はそれぞれの方向へ走っていく。
それぞれ、とてつもない早さで小さくなっていく…。


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