海水欲-8
「お待たせ〜」
「お、やっと来たか」
加藤の声に振り向いた俺達の目に飛び込んできたもの……それはそれは、とてもつまらないものだった。
なぜなら、2人共お揃いの白いパーカーを着ていたからだ。
「「つまんねえ」」
思わずハモった男2人の声。
「だって……恥ずかしいじゃない」
加藤が口を尖らせて拗ねると、今村が彼女の頭をポンポン叩いて笑う。
「いいから、見せろよ」
もじもじと顔を見合わせた加藤と薫子はパーカーを脱いだ。
「「おおっ」」
加藤は赤と白のギンガムチェック柄のビキニ。
生地の縁に共布のヒラヒラが付いていて可愛らしい。
パンツの方はジーンズ生地のマイクロミニパンツを重ね着していて、ショートカットの彼女に良く似合う。
薫子もビキニタイプだが、こっちはホルターネック。
基本的に白だが、首の後ろで結ぶリボンや、パンツにベルトの様にデザインされている部分は黒。
髪も編み込みを入れてサイドテールに結んでて、剥き出しのうなじがむっちゃくちゃ色っぽい。
「どうかな?」
加藤が上目遣いで今村に聞く。
今村は真っ赤な顔で加藤の手を引いて、無言で海の方へ歩いて行った。
「ちょっ?!芳郎くん?」
引かれるままについて行った加藤の耳元で今村が何やら囁き、加藤は満面の笑顔で今村の腕に抱きついた。
「ははっ、照れてやんの」
どうせ、可愛いだとか甘〜い言葉でも囁いたんだろうな。
俺は視線を薫子に戻して、その水着姿を上から下まで舐めるように見る。
「おかしいか?」
薫子は落ち着きがない感じで尻尾を揺らした。
「まさか。凄く色っぽいっす。今すぐしゃぶりつきたい」
俺は手の裏の方で薫子の肩から腕をそっと撫でる。
そして、手を握るとその甲にキスを落とした。
「我慢できないかも」
薫子はボンッと全身を赤く染めてソワソワと尻尾をくねらせた。
「あ、もしかして濡れました?」
擦り合わせる膝がそれを物語っている。
「う、う、うるさいっ!行くぞ」
ふふん、図星〜ああ、可愛い。
俺は手を引いて先を歩く薫子の桃尻を眺めがら、ニマニマしてしまうのであった。