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犬猿の仲
【ファンタジー 官能小説】

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海水欲-3

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」

 買ったばかりのベットのシーツはぐちゃぐちゃのしわだらけの染みだらけ。
 まあ、洗えば良いし替えのシーツも準備してあるから大丈夫だ。

「……アツ」

 薫子は気だるそうに俺に腕を伸ばす。
 その腕に絡まれながら、俺も薫子の躰を包む。
 深く口づけを交わした後、薫子の髪を撫でてやると嬉しそうに尻尾が揺れた。

「どうでしたか?」

「気持ち……良かった……私は激しいのが好きみたいだな」

「そうですね、俺も激しく乱れる薫子が好きですよ」

 俺の言葉に薫子は顔を赤くしてむくれる。
 乱れてなくても好きだよ……言えたらどんなに良いだろうか。

 ああ、そうだよ惚れてるよ、この淫乱マゾ神様に心底な。

 普段は偉そうな態度を取るが、それは甘えてる証拠。
 可愛いんだぜ?その裏腹な態度と乱れた時の豹変ぶりが堪らなく俺のツボ。
 だから俺も普段は敬語にしてる。
 メリハリってやつだな。
 まあ……それに神様だし……犬神としての合格点もらったら俺らのこの関係も終わりだし……あ、くそ……胃が痛え。

「アツ?」

 腕に少し力が入ったらしく、薫子が顔を上げた。
 俺は苦笑して薫子の額にキスを落とし、起き上がって腰にタオルを巻く。

「やっぱエアコンが必要っすね……窓締め切ってたんじゃ蒸し焼きになる」

 防音の部屋にしたが窓を開けてたらいくらなんでも声が漏れる。
 薫子の声でかいからなあ……俺はカーテンと窓を全開にして部屋の空気を入れ換えた。

「シャワー浴びてから買いに行きますか?」

 薫子は目を閉じて、窓から入る涼しい風を楽しむ。
 黒くて長い髪と白い獣耳と尻尾がフワリと風に揺れた。

「そうだな……しかし、高いのであろう?」

 ここの所全ての金を俺が出しているので気が咎めるらしい。

「薫子だけの為ってワケじゃないですし……ここだって元々目をつけてた物件だったんで丁度良かったっつうか……」

 バレバレの嘘だが薫子はそれで納得する。
 薫子はにっこり笑って承諾し、脱ぎ散らかした俺のTシャツを着てバスルームへ向かった。
 だぼついたTシャツは薫子の尻をギリギリ隠す大きさ。
 綺麗な太ももは丸見えだし、少しずれて覗く白い肩に萌え〜。
 俺は彼女の後を追いかけて後ろから抱きしめて首筋に吸い付いた。


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