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Still have a longing for…
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Still have a longing for…-2

あれは、忘れもしない4月25日
私の誕生日の一日前だった。
私は、いつもの様にアズミを迎えに駅に行く。
…これが、最後だった
駅で逢ったアズミは、私にCDをくれた。
…私がねだった誕生日プレゼントだった。
2人でお昼を食べ、家に向かい、その日は一緒にクッキーを焼いた。
クッキーが焼き上がる頃、アズミとはお別れの時間だった。
まだ温かいクッキーをいれた袋を握り締め、私とアズミは駅に向かった。
もう、きっと二度と逢えないってわかっていた。
なのに、何も言わなかった。
何も言えなかった。
アズミは、改札のむこうの人混みに消えていく。
こらえていた涙のせいでボヤけて見えた。
アズミが見えなくなるまで、ずっと手を振っていた。
…アズミは、今も元気だろうか?
もし、もう一度アズミに逢えるのなら、一言、『ありがとう』を言いたい


彼女には、アズミのことは言っていた。
だからか、あまり説明しなくても理解してくれたようだった。
気を取り直し、私は歌うことにした。
歌いながら、私はある事を心に決めた。
“アズミと同じ道に進もう”
私が知ってることは、アズミの名前、誕生日、年齢だけ。
アズミを探そうとしても、それは無理な話だ。
だから、同じ職に就いて、奇跡に全てを賭けてみようと思う。
『ありがとう』の声を届ける為に。


-end-


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