降臨-15
「触っていいっすよ〜でも、優しくお願いします」
「う、うむ」
しかし、薫子は予想外の行動をとった……なんと顔を近づけてクンクンと鼻を動かしたのだ。
「犬神様っ?!」
呼びかけるときょとんとして見上げられた。
あ、そうか……犬だもんな……手を使うより鼻を使うのが普通か。
「いや、何でもないっす」
答えた俺に少し首を傾げた薫子は再び鼻をひくつかせる。
何これ?無っ茶苦茶恥ずかしいんですけど?俺も女のアソコ嗅ぐの好きだけど……こんなに恥ずかしいもんだとは知らなかった。
不覚にも赤くなった顔に手の甲を当てて冷やしてみるも、あまり効果はなさそうだ。
臭いかなあ〜…臭いよなあ〜…少なくとも良い匂いじゃねえよな。
羞恥で頭の中がクラクラしてるってのに、薫子は知らん顔して匂いを嗅ぎ続ける。
そして……あろうことか舌を出してペロンと舐めたのだ。
「ぁうっ?!」
まさかの事態に肉棒が跳ねて声が漏れる。
薫子も驚いて耳をペタンと伏せて身を縮めた。
「す、すまん」
「いや、あの……こちらこそ……気持ち良くて、つい」
俺の言葉を聞いた薫子の耳がピンと立った。
「気持ち……良いのか?」
「そりゃあもう」
何だか薫子の目がキラキラしてる?尻尾がパタパタと振られてるよ?何をやらかすつもりだ?
「では、続けて良いか?」
「はい?」
「雄の精が出る瞬間を見たいのじゃ」
「はいぃ?!」
何でこの神様は変な所に興味を持つワケ?!
「……だめかのぅ?」
耳と尻尾がふにゃんと垂れて、懇願するように見上げられる。
うっ……くそう……可愛い……。
俺は薫子の頭を撫でて困ったように言った。
「ダメじゃないっす。むしろ嬉しい…んで……その……こちらこそ……お願いします」
俺の言葉に薫子はぱあっと顔を輝かせ、再び尻尾が揺れる。