降臨-14
「キスにも色々あるのだな」
薫子は少し笑いながら話す。
始めのは相手を伺うようなキス、その次は欲望のままに貪るようなキス。
「そっすね」
俺は適当に答えながら顔中に軽いキスを降らしていた。
「このキスの意味は?」
「あ?」
意味?意味ねえ……。
「強いて言うなら……犬神様が可愛くて堪らないキス?」
俺の言葉に薫子は真っ赤に顔を染め、俺はその赤い頬をペロンと舐めた。
「ほら、可愛い」
口をパクパクさせて何か言い返そうとする薫子の口を再び塞ぐ。
優しく、唇を挟むように。
「これは愛しいキス」
次は舌を差し込んで歯の羅列を舌でなぞったり、舌同士を絡めたりする。
「んぅんっ」
「これは……相手の全てを手に入れたいキス」
そう言った俺は薫子の口から溢れた唾液を舌で舐めとった。
「ま、俺の場合ですけど?」
薫子は惚けた顔で俺を見ながら小さい声で問う。
「誰が相手でも出来るものか?」
あ、ちょっといじけてる?
「まさか。少なくとも俺は可愛いと思える相手にしか勃ちませんよ」
始めの方こそクソ生意気な欠陥神様に腹も立てたが、それは彼女の意地っ張りな性格のせい。
こうやって抱いてみると良くわかる……たった1人で人間の世界に放り込まれて不安だっただけなのだ。
正体はバラせないし誰にも頼れない所に、都合良く俺っつう妖怪が居た。
神様も妖怪も人外だという事に変わりはない……偉そうな態度で甘えていたのだ。
「そ、そうか」
嬉しいくせに素っ気ない口調で答える薫子……思わず笑っちまう。
「犬神様は可愛いっすよ?ほら、ガッチガチ」
口で言うより分かりやすく、俺の息子を薫子に擦り付ける。
「こんなに堅くなるのか」
薫子は視線を下げて俺のモノに手を伸ばした。
恐る恐る触れられ、ビクンと反応したモノに驚いた薫子は手を引っ込める。
「見ても……良いか?」
興味津々で聞いてくる薫子に笑いながら答えた。
「どうぞ?」
ごそごそと服を脱いで全裸になった俺はソファーに座る。
薫子は俺の足の間に入って床に座り、天を仰いでいる俺の息子をまじまじと見ていた。
凄え良い!神様が俺の息子見てるよ!むっちゃ興奮する。