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契り
【その他 官能小説】

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契り-2


「臨時ニュ−スを申し上げます。臨時ニュ−スを申し上げます。
大本営陸海軍部の発表では、帝国陸海軍部隊は本8日未明において、
西太平洋において、アメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり・・・」

アナウンサーが開戦を告げた、いよいよ本格的な戦争に突入した時である。
それからの日本は厳しい道を歩くことになる。

情勢が厳しくなると、若者の多くが戦場へと駆り出されていくのである。
その若者達は、二度と戻れない戦地へと向かっていった。


そのような状況下で、或る街に下宿屋があった。


あまり大きくはないが、主に学生を相手にしていた。
そこの主人も、そうそうに戦争に駆り出されたきり、戻ってこない。

夫は人あたりが良く優しい男だった。
又、面倒見が良く、若い学生が下宿代を滞納しても(有るときで良いから)
と言い、学生達から慕われていた。

その彼にも招集が来て、出兵したきり音信がない。


出兵する前の夜に、妻の雪子と夫の武治は激しく愛し合っていた。
暗い部屋の中で布団の前に蝋燭を立て、別れの酒を飲み交わし、
二人だけの儀式を始めた。

全裸になり、激しく絡まりながら、夜が明けるまで抱き合っていた。
夫のペニスで幾度となく突き上げられ、雪子は声を震わせて逝った。
雪子は眼に涙を浮かべながら、何度も逝った。

これが最後かも知れないと思うと、感じながらも
涙が後から後から溢れてくるのだ。


時々、空からは飛行機の唸りの凄まじい音を聞きながらも、
二人はしっかりと抱き合い結合していた。
人とは、こういう刹那の時こそ激しく燃えるものなのだ。

(あぁ、あなた・・逝きます!あぅ・・)

切ない声を出し、膣を締め、痙攣しながら雪子は何度も逝った。
妻の燃えるような激しい結合で、
武治は雪子の子宮の中に激しく射精を繰り返した。

(もう愛しい妻との契りは、今日が最後かも知れない)
そう思うと、愛した妻をいつまでも抱きしめていたかった。







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