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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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Re:〜後編〜-6

「んっと……こうかい?」

「そうだ。発動はザックのタイミングでいいぞ」

『ク』

 短く返事をしたザックは現場の風の流れを読んだ。
 効率良く、出来るだけ広範囲に魔法がかかるように。

『クァ』

 カパッと開けたザックの口から見えない波動が出た。
 それは、ザックを中心に木々を揺らして波紋のように広がっていく。

「どうだモーガン?」

 現場の反応は、とデレクシスから額を離したアースはモーガンに視線を向けた。

「……はい、現場の方はやはり幻覚だったようでアジトに居た人影は煙の様に消えたそうです。残りは10人ぐらい……制圧しますか?」

「そうだな。そっちに送った騎士団は自由に使っていいから、任せる」

 モーガンはアースの言葉を現場に伝え、アースはデレクシスの頭をポフポフ叩く。

「上出来」

「どうも」

 アースに誉められたデレクシスは素っ気ない返事をしながらも、顔を赤くして照れていた。

「キャラはどうだ?」

 腕を組んで考え込んでいたスオウは顔をあげてアースに問う。

「……どうですかね……初めて使う魔法だし……」

 アースが言いよどんでいると、噂のキャラがドアを開けて入ってきた。
 少し上気した頬をペシペシ叩きながらキャラは答える。

「初めてにしては上手くいったと思いますよ」

 いったい何の話だろう、と周りの人達が不思議な顔をする中キャラはツカツカと部屋の中心にある椅子に座った。

「サガンの本にあったんだけど……召喚魔法のひとつで、複数体の精霊と仮契約をしたんだ」

 精霊人は魔力が合った精霊と契約するが、召喚師の場合は精霊の力の源である異界のエネルギーを扱えるので、全ての精霊と契約が可能。
 しかし、異界のエネルギーは精霊には強すぎ、契約すると自滅を招く……が、短期間であれば大丈夫なので契約したがる精霊も居る。
 やり方は簡単、喚びかけて応えた精霊に魔力を分けるだけ。

「喚びかけに応じてくれたのは5体。今、付近の捜索に行ってもらってます」

 そう言いながらキャラはデレクシスを押し退けて映像投影装置に手を置いた。

「ミリーナ……テル……スネア……」

 キャラが名前を言うと映像が次々と切り替わる。

「む、今の……パシーの所」

 目を細めて映像を見ていたスオウがキャラにむかって指をピコピコ動かした。

「パシー?」

 キャラの声に反応したパシー……光の精霊で綺麗な女性の姿……は視線を巡らせる。


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