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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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Re:〜後編〜-19

「……見えてっぞ」

「うをっ?!」

「きゃっ!!」

 うんざりしたアースが声をかけると2人は慌てて湯船に沈む。

「……ウィルに……逢いたいなあ……」

 ぶくぶくと薬湯に沈んだデレクシスは小さく呟いた。
 目の前でアースとキャラの仲睦まじい様子を見ていたら、ウィルを思い出してしまって嫌だったらしい。
 背中を向けて沈むデレクシスを見たアースとキャラは視線を交わした。

「女々しい奴」

 アースはそう言いながらキャラに向かって顎を動かす。
 キャラは一瞬呆気にとられた表情を見せた後、渋々と移動した。

「どうせ女々しいよ……アース殿には分から…ぅあ?!」

 いじけてブツブツ言っていたデレクシスは言葉の途中で素っ頓狂な声をあげる。

「ひ、ひ、姫?!」

 なんとキャラがデレクシスの背中に抱きついてきたのだ。
 背中に双丘が当たって物凄く気持ちいい……のだが……夫の目の前で何を血迷ったのか、とデレクシスはジタバタもがく。

「別にヤれって言ってるワケじゃねぇ……他の女よりは素直に甘えられっだろう?」

 素で喧嘩したり本音を言ってみたり……王族であるデレクシスにとってこんな態度を取れるのは同じ立場であり、年も近く男っぽい性格のキャラだけだ。
 その事を見透かされたデレクシスは抵抗を諦めて体の力を抜く。

「ウィルの代わりになるような子が居るかなあ」

「代わりなんか居ねえよ」

 もたれてきたデレクシスの髪を撫でながらキャラは答えた。

「大体、誰かの代わりだなんて相手に失礼だ……新しく出逢った相手を大事にして……」

 掻き上げた髪から覗く額にキスをされたデレクシスはくすぐったそうに笑い、ふと視線をキャラに向ける。

「そういえばポゥは?」

 仮契約をしていた精霊とは既に契約解除をした、と聞いてはいたが一応聞く。

「さっきザックと一緒に居たぞ?」

 その質問にはアースが答えた。

「ザック?」

『クェ』

 デレクシスが喚ぶとザックがポゥと共に現れる。

『ピ?!ピイ!!』

 ポゥはキャラとその彼女にもたれて甘えているデレクシスを目にした途端、背ヒレをぴあーっと逆立ててデレクシスに突進した。


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