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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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Re:〜後編〜-17

『もうやめろ』

 その時、空から声がかかり紫色と金色の光球が降りて来る。
 その光球はふわりと地面に降り立つと、それぞれの姿を形作った。

「?!ザギ?!オーウェン?!」

 紫色の光球は巨大な双頭の蛇に、金色の光球は翼を持つ黄金の獅子に姿を変える。
 とっくに死んだはずの2体の魔獣は男を見据えて静かに佇む。

「……ザ…ギ……?」

『迎えに来た。私と一緒に逝こう』

 ザギは人型になり男に手を差し出した。

「……勝手に先に逝ってしまったくせに……今更なんだよ?」

 男はじりっと後退りしてザギを拒む。

『……すまなかった……お前を利用して闇に堕としたのは私だ……だから……お前と一緒に居る』

 逃げようとする男をザギは両手で包み込み優しく抱きしめる。
 男は抵抗を止めてザギに身を任せた。

「僕と一緒に居てくれるのか?」

『当然だ』

 ザギの体が男と共に紫色の光球に変化して空へと上がって行く。
 その光景を残された人物は唖然として見送った。

「どういう事?」

 キャラは視線をオーウェンに移して問いかけた。

『あの男が産まれた時からザギは奴に憑いておった。常に傍に居て家族のように過ごしていたのじゃ。狂った魔獣に憑かれた人間も同様に狂う……ザギが死んだ事でタガが外れたんじゃろうな……』

 あの男にとってキャラとアースはとても印象的だった。
 諦める事を知らない、まるで光のような2人を闇に引きずり込んで自分の物にしたかったのだ。
 それに気づいたザギは責任を感じて男を救う為に死後の世界から降りてきた。
 しかし、いくら魔獣とはいえこんな技は簡単には行えずオーウェンに協力を頼んできたというわけだ。

『結局、奴の望みはザギと共に居る事じゃ。満足だろうよ』

 オーウェンはキャラの方を見ずに空を見たまま説明する。

「……オーウェン……」

 キャラの両目から涙が流れ落ちた。
 また会えた事が嬉しくて堪らない。

『もう泣かないんじゃなかったのか?』

「うるさいなあ……少しぐらい許してよ」

 キャラは泣きながら苦笑した。


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