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真夜中の淫謀
【レイプ 官能小説】

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嫉妬と欲望と-2

 案内された部屋は3階の角部屋で、窓からはホテルの下にある駐車場がよく見えた。道路を挟んで正面は幹の細い木々が密集する林になっている。道路の道幅は広く、ときおりホテルの送迎バスが出入りするのも見える。

 部屋に案内し終わった後も、トオルは出て行こうとはしなかった。部屋の入り口でエリナの腕をつかんだまま、じっと立ち尽くしている。いつもと様子が違う。

「……どうしたの?」

「俺の部屋、この隣なんだけど……あのさあ、エリナ」

「なあに?」

「ほんとに、今日ここで斎藤とやるのかよ」

 トオルの言っている意味がよくわからなかった。やる、というのがセックスのことを指すのだということを理解するのに、少し時間がかかった。エリナはトオルの切れ長の目を下からのぞきこむように見上げた。

「やるわ。こういう場所でもないと、あの純情過ぎる子とは同じ部屋で寝ることだって難しいのよ……だから、今夜は絶対に」
 
 最後まで言い終わらないうちに、トオルの唇がエリナの言葉を塞いでしまう。余裕の無い子供のキス。不快に感じて顔を背けた。

「今はそういうことをしてほしくないの。今夜わたしが欲しいのは斎藤くんとのセックスだけよ」

 トオルの顔が歪む。エリナをベッドに押し倒して馬乗りになる。あんなに可愛がってあげたのに、これはどうしたことだろう。これではまるで、聞き分けのない子供ではないか。エリナは頭と体が静かにさめていくのを感じながら、厳しい表情を崩さないトオルを冷やかに見つめた。トオルの震える声が部屋に響く。

「最初はそれでいいと思ったんだ……でも、僕はやっぱりエリナを僕だけのものにしたい。あんなに何度も抱き合ったじゃないか。僕がさんざん気持ち良くしてやっただろ? それなのに……エリナが隣の部屋で、たとえ今夜だけでも斎藤に抱かれるのかと思ったら我慢できなくなって……」

窓を叩く雨音が大きくなる。雲の向こう側にあるはずの太陽も沈み、暗がりの中でその声はいっそう切なげに聞こえた。

「遊びならいいよ、他の男とどれだけ寝てもいい。でも、あいつは恋人なんだろ? そんなの、僕は嫌だ。ねえ、エリナ、僕が恋人になるよ。気持ちいいセックス、いっぱいしてあげるから……」

「トオル、そうじゃないの。そうじゃないのよ」

 エリナにとって、「恋人」である斎藤とのセックスだから意味があるのだ。最高に気持ち良くなれるというセックスのために、興味の無い遊園地にも、動物園にも一緒に出かけた。そのなかで、他の男には感じなかったほのかな温かさのようなものを斎藤との間に感じつつある。これが恋人同士ということなのだろうか。不確かな感覚の中で、こういう気持ちを共有する相手とのセックスにエリナは純粋に興味を惹かれていた。

 トオルの体をそっと押しのけて、エリナはその頭を優しく胸に抱いた。

「いい子だから、わたしを困らせないで」

「エリナ、僕は」


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