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秘め事の系譜 シホ
【同性愛♀ 官能小説】

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恋は盲目-5


「ああっ、あっ、あっあっ……。ダ、ダメ……ッ、ん……あ、はああああっ!」
 高所から落下するのと逆方向の快感が下半身から全身に満たされていくの感じて、シホは遠吠えする牝犬のように上半身を仰け反らせた。湿った髪を振り乱し、ロッカールームである事も忘れて、シホは二人の女が背後からもたらす快楽を余すところ無く感じていた。
「どう、良い声でしょう?」
 頬を染め、薄ら笑いすらうかべている小娘を見やったサチコは、アケミの腰に手を回した。
 アケミは嫌がらなかった。
「あ……はああああっ……、ああ……っ。はあ……はあ……」
 一際大きな嬌声を上げたシホは、爪先から指先まで伸ばして淫らな快感の余韻を味わっていた。電流のような快感の波が、何度も何度も身体を駆け巡る。その度に、熟れた女の身体がビクビクと痙攣していた。
 シホが絶頂に上り詰めたのを見届けたサチコはアケミの手を掴み、恋人のお尻から震える淫らな性具を引き抜いた。
 シホは最後に身体を大きく震わすと、身体を回してソファに深々と座り込んだ。ふしだらに足を開いたまま、完全に脱力してしまう。
「ふふ、どう? 女同士も悪くないでしょう?」
 女が女を責めるという淫らな光景に呆然としているアケミの手から、サチコはアナル用のバイブレーターを優しくもぎ取った。小娘の身体に回した手をそのままに、一糸纏わぬ身体を密着させたまま、サチコは反対側の手でシホの豊かな乳房を無造作に掴んだ。
「ああん! 待って待って! まだ、身体が敏感なんだから……」
 乳首が立ったままのいやらしい乳房を掴まれて、シホはソファに埋まったまま裸体を艶かしくよじった。
「私……」
「どうしたの?」
「……っ!」
 アケミはサチコの腕を無言で振りほどくと、何も言わずにロッカールームから飛び出して行った。
 今度はサチコも追いかけない。
 小娘の去った後を眺めながら、シホはしばらくの間、何も言わず、身体に残った悦楽の余韻に浸っていた。

「あの娘、また来るかしらね?」
 シャワーを浴び終え、身体についた水滴をバスタオルで拭いつつ、シホはサチコに聞いてみた。
「シホってば、また来て欲しいの? そんなにあの娘の責めが良かった?」
「違うわよ、バカ。自分が思い込みで誤解してたってのを、ちゃんと理解してくれたのかしら?」
「どうかしらね。私たちが恋人同士だって言うのは、理解してくれたと思うけど……」
「けど?」
「女にしか興味が無いってコトの証明にはなっていないのよね、実は」
「両刀使い?」
「そういうコト。気付くかしら?」
「思い込みが激しいみたいだから、大丈夫だと思うけどね、あのピカチュウは」
「ぶはっ。やめてよ。変な時に思い出し笑いしちゃう」
 身支度を整え、忘れ物が無いか確認して、二人はロッカールームを後にした。フロントで鍵を返し、預けていた貴重品を受け取る。
「ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております」
「ありがと。またね」
「あの、篠崎様?」
「はい?」
 メガネにポニーテールの受付嬢が、内緒話をするように片手を口に当て、カウンターから身を乗り出してきた。何か大きな声で言えないような話があるようだ。
 一旦は出口に向かったシホは身を翻し、受付嬢に耳を向ける。
 受付嬢はあたりを憚るように、シホの耳元で囁いた。
「程ほどにして下さいね。他のお客様の、ご迷惑になりますから」
「あら、聞こえちゃってた?」
「廊下にまで……」
「ふふ、ゴメンなさいね」
「それで、あの……」
 何か言いかけて、ポニーテールの可愛らしい受付嬢は口ごもった。頬を染めて、そのまま俯いてしまう。
 受付嬢が何を言いたいのか、すぐに理解したシホは回りを見回した。隣にサチコが待っている以外はロビーに人影は無い。
「今度の休みはいつ?」
「えと、来週の火曜日なら……」
「そう。じゃ、その日にデートしましょうか」
「はい!」
 満面の笑みを浮かべて喜びを表した受付嬢の顎に手を当て、シホは軽くキスをした。
「じゃあね。また連絡するわ」
「はい、お待ちしてます!」
 ペコリと頭を下げた受付嬢に、シホは手を振ってジムを後にした。笑顔で小さく手を振る受付嬢がとても可愛くて、シホは自分の顔が緩んでくるのがわかった。
「手当たり次第ね。ヒロ君のことを悪く言えないじゃない」
「手当たり次第なんて、失礼ね。可愛い娘だけよ。サチコも一緒に行く?」
「残念。来週の火曜日は通しでリハーサル。二人で楽しんでらっしゃいな」


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