投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

幼き日の思い出
【その他 官能小説】

幼き日の思い出の最初へ 幼き日の思い出 2 幼き日の思い出 4 幼き日の思い出の最後へ

駅弁-1

ある年の夏。
私と妹は、夏休みを利用してママの実家のある田舎へ旅行する事になった。
子供だけのはじめての旅行に私と妹は期待と不安に胸をふくらませていた。
私達は、両親に駅まで送ってきてもらっていた。
「ねえ、大丈夫?間違わず駅で降りれる?向こうの駅では、恭吾爺が迎えに来るから勝手に何処かに行かないでちゃんと待ってるのよ。おじいちゃんの家に着いたら。おじちゃんやおばあちゃんの言うこと聞いていい子にするのよ。お手伝いもしてね」
「ママ、私を何歳だと思ってるの。もう子供扱いしないで」
「だって子供でしょ。」
「子供だけど12歳よ。自分の事ぐらい何でもできるの」
「ママのほうが、子供みたいだな」
「もうっ、パパったら。いじわるなんだから」
「一人で何もできないのはパパでしょ。お料理もお洗濯もできないんですもの」
「おいおい・・・参ったなー…」
「由貴ちゃん、ちゃんとお姉ちゃんの言うことを聞いていい子にしてね」
「はーい。大丈夫よ。私お料理もお洗濯もできるもん」
「パパより役に立つものね」
「うん。」
私と妹の会話にパパは苦笑していた
「二人とも、それはないだろう・・・」
「二人とも新しいお洋服とっても似合っているわ。いいとこのお嬢様みたいよ」今日のためにママが買ってくれた新しいお洋服だ。
私はスミレ色のストライプのワンピースで黄色リボンのついた麦わら帽子。妹はひまわりのような黄色のワンピース。麦わら帽子は、お揃いでリボンだけ色違いのピンク。
「ありがとうママ」
「そろそろ、ホームに向かおう。」
妹がせかす。
「はいはい」
二人でホームに向かってスーツケースを押しながら歩き出す。
途中で妹の歩みが、ぴたりと止まる。
「お姉ちゃん。お弁当、買って行こうよ」
「お弁当って、今、8時だよ。で8時20分発の電車で目的地まで2時間、10時23分着よ、いつ食べるの?」
「電車の中よ」
「朝御飯食べたでしょ」
「食べれるよ。」
「お昼が、食べれなくなるよ」
「食べれるもん」
「きっと、お爺ちゃんやお婆ちゃんが、ご馳走を用意してくれてるわよ。」
「食べれる〜」
「残したら、がっかりするわよ」
「ちゃんと食べるもん」
「そんなに食べたら、ダンプカーみたいなデブになるわよ」
「電車で駅弁って憧れてたんだもん」
「冷凍みかんとお菓子買ってあげるから、我慢しなさい」
「いやっ!お弁当がいい!駅弁!駅弁がいいの!」
「我慢しなさい!」
「いやっ!駅弁!駅弁!駅弁がいい!駅弁がいいのーっ!」
「チョ!、ちょっと!大声でよしなさい。恥ずかしいでしょ!知らない人が聞いたら、誤解するでしょ!」
私は、うっかり変なことを想像して変なことを言ってしまい。しまったと思ったが、既に遅かった。
「はい?駅弁がはずかしいの?」
「違う!大声で恥ずかしいって言ってるの!」
「お姉ちゃんのほうが、声大きい・・・。なんか文脈から察すると駅弁って大きな声で言うのが、いけないように聞こえた」
「違います・・・」
顔から、火が出そうだ。この子は、時々、人の揚足を取る悪い癖があるのだ。
「なんで?駅弁って大声で言ってだめなの?」
「あなたは、知らなくていいのって!」
「なんで?だめなの?」
「大声は、はしたないでしょ?それに周りの人の迷惑になります!」
「なんで駅弁・・・」
私は妹の両手を取り、ウルウルとした目でみつめる。
「お願い今のは忘れてキノコの山盛りでも竹の子の族の里でも、好きなお菓子買っていいから・・・お願いね!!」
「駅弁は・・・」
「だめ…」
「ひっつこい!」
「どっちが…」
私達のやり取りを両親が、少し離れたところでぽかーんと眺めてる。
いや、遠巻きにして他人の振りだな・・・。
「ほら、由貴ちゃん。お姉ちゃんの言うことは、ちゃんと聞くんでしょ?」
さすがに見かねてママが助け舟を出してくれた。
「はーい」
「あの子ったら、駅で大声なんて子供なんだからっ!」
私は、必死にごまかそうとした。
「お姉ちゃーん!ポテチにまぐろお刺身味新発売だって!」
「また大声で!・・・本当子供ね…って何!それって!」
「おいしいのかな?」
「とてもそうは、見えない。これって期間限定?地域限定?」
「みたいだね」
私と妹は、開発者の真意不明のお菓子の話題で盛り上がる。(まぐろ節味なるものは実在するらしいしかも高級品っぽい)
子供らしくお菓子の話題で、その場はうやむやにしてごまかした。

だんだんと発車時刻が近ずき、電車に乗り込む。対面シートに2人で無か会って二人で座る。
上下に開閉する窓を妹と協力して一番上まで開ける。
「美紀ちゃん。由貴ちゃん、勝手に森の中に入ったりしては、だめよ。歯磨きも忘れないでね。夏休みだからって夜更かしすぎしちゃだめよ。朝寝坊もしないでね。それから・・それから・・・」
発車ベルが鳴って、電車が動き出すまで永遠と、ママの注意事項は続いていた。
そのたびに私達は、「わかってる」を連発していた。
「いってきまーす。」
動き出す電車から、手を振る。
「いってらっしゃーい。」を言ってからも、何か、色々言ってる
「ママったら、あんな調子で私達がいなくてものかしら」
「一番手のかかる大きな子供がいるから大丈夫でしょ」
大きな子供・・パパの事だ、妹は、意外に手厳しい。


幼き日の思い出の最初へ 幼き日の思い出 2 幼き日の思い出 4 幼き日の思い出の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前