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真夜中の淫謀
【レイプ 官能小説】

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忌まわしい記憶-4

「男は彼女のお腹の中に自分の子がいる、と笑ったんだ。旦那が仕事ばかりで寂しいと言うから、俺が代わりに種付けしてやったからな、ってね。どこからどう見ても誠実そうなところのない、チャラチャラした若者だった」

「そう……」

「彼女は泣きながら、もう僕とは暮らせない、このひとと一緒に行く、と言った。結婚してからずっと寂しいのを我慢していたけど、もう耐えられないってさ。何がなんだかわからなくて、気がついたら僕は彼女の頭に花瓶を叩きつけていた。結婚祝いに親戚からもらったやつだったんだけど、粉々に割れたよ。男は半狂乱になって、僕につかみかかってきた。ひざまでずりさげたズボンのポケットを探ったかと思ったら、僕の腹にナイフを突き刺してきたんだ」

 痛みは感じなかった。ただ焼けつくような熱さがあった。腹からナイフを抜き、おびただしい血を流しながらそのまま男と揉み合っているうちに、男は首から血を噴き出して動かなくなった。

「人間って、案外もろいものなんだなあと思ったよ。汚れた人形みたいに並んで寝ているのを見て、僕は猛烈にふたりのことが憎くなった。子供がいる、と聞いた彼女の腹をナイフで裂いた。ああ、実際にどうだったかはわからないけどね。血や内臓が飛び出してきて、子供が本当に入っていたかどうかなんてわからなかった。それで、気がついたら病院のベッドの上だった。警察も来たけど、僕はなかなかの重症で答えられるような状態じゃ無かった」

「奥さんは……そのときに亡くなったのね」

「ああ。僕がこの手で殺したんだ。男と一緒に。ただ、あの件で僕が逮捕されるようなことにはならなかった。入院している間に僕のほうの両親や親戚がかなり頑張ったらしい。僕たちのマンションに強盗が入って……とか、全然違う話になっていたよ。男の方に身寄りがなかったのも幸いしたかな。都合の悪いことは全部死んだ男になすりつけて、退院するころには僕はただの被害者になっていた」

 車は長いトンネルに入り、排気ガスに煤けた壁が窓の外を覆ってしまう。薄暗いオレンジ色のたよりない照明だけが車内を照らし出す。岡田の顔からは表情が消えていた。ただ口元だけがぐにゃぐにゃと動いて、忌まわしい思い出を語り続けた。

「泣き叫ぶ彼女を殴り殺したとき、僕は信じられないくらい勃起していたんだ。それはもう、ギンギンにね。それまで感じたことの無い、体中の血液が沸騰するような興奮……わかるかな」


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