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うさぎ
【ファンタジー その他小説】

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うさぎ-8

 その花を輪のようにして、可愛い娘の耳に飾ってやります。二度と合うことはないだろう娘への花嫁衣装のつもりでした。

「ああ、可愛いねえ。よく似合うよ・・・さあ、行っておいで」

「おかあさん、ありがとう。行ってきます」

 またひとり、子供が巣立って行きました。元気よく跳ねる後ろ姿を見ながら、彼女はうっすらと涙を浮かべました。そして自分のお腹のなかで動き始めた新たな命を感じながら、「幸せって、なんだろうね」と小さく呟きました。

(おわり)


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