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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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時の邂逅-9

「何しに来たの?」

「未来の話、もっと聞きたいの」

「あんまり話せないんだけど……」

 未来の事を詳しく知ってしまうのは危険だ、とサガンが言っていた。

「そうじゃなくて、未来の普通の事。例えばデレクのお友達の話とか……だめ?」

 可愛く首を傾げるウィルにデレクシスは苦笑いすると、彼女の横に座って話しだす。
 ちょっと前の自分の事や、ザックとの出会い、冒険者バリーの事、他にも召喚師キアルリアやその恋人アースや、友達の精霊人エンとケイ……。

「じゃあ、ザックに気づいたのって最近なんだ?」

「うん。召喚師はキアルリア姫しか居ないし、キアルリア姫も最近召喚師って分かったから……こっちじゃ違う?」

「こっちじゃ召喚師様に会いに行くの」

 こっちでは10歳になるまでに召喚師の元を訪れ、祝福を受けるらしい。
 そこで、精霊人だと分かったら契約するか否かを決めるのだ。
 精霊人じゃなくても祝福を受けると健やかに育つと信じられている。

「そうなんだ……こっちじゃ精霊って大事にされてるんだね」

 あっちじゃ存在を否定する人まで居る……自分もザックに会うまでは『精霊って何?』だったし。

「ねえ、ウィル。精霊と契約した時の……その……条件って何?」

「条件なんかないよ?お互いに利用する感じかな?」

 精霊は人と契約し、魔力をもらう事によってレベルアップし、実体化や巨大化が出来る。
 人間は魔力を分ける代わりにその力を借りる。
 持ちつ持たれつの関係。

「……あっちじゃさ、精霊の力を借りると何か大事なものを失うって言われてるんだけど……」

「ああ、それは精霊人じゃない人が借りた場合だよ。魔力の代わりに力をもらうの……視力とか聴力をね」

「なるほど……じゃあ、精霊人の場合は魔力だけなんだ?」

「うん。でも、気をつけて?機嫌損ねたら魔力吸い付くされてカッサカサになって死んじゃうから」

「……え?」

 沈黙

「うっそだよ〜あはははっデレクのその顔!」

 一瞬、カッサカサに干からびた自分を想像したデレクシスは、ウィルにからかわれた事に気づき赤くなった。
 初めの頃はザックの事を家畜ぐらいにしか思っていなかったので、心当たりありまくりだったのだ。


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