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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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時の邂逅-7

「そ……うか……」

 平和な時代に産まれてぬくぬく育って来た自分がなんだか恥ずかしい。
 そんなデレクシスの頭をサガンはぐりぐりと撫でた。

「未来は……俺たちの未来は平和なんだな?」

「そりゃあもう!肝心の王族がこんなに甘ちゃんに育ってしまうぐらいに!」

 国境争いとかの小さなトラブルはあっても、国家間の戦争はどこもしていない。
 デレクシスの力を込めた返事に、サガンは思わず笑った。

「くくっ……自分で甘ちゃんって……」

「いや、ホントにもう恥ずかしいぐらいに温室育ちで……」

 とんでもない事を自分で言ってしまい、デレクシスは真っ赤になる。
 ザックは馬鹿にしたようにデレクシスの頭をつつき、デレクシスは苦笑いした。

 その後、沢山の話をしてデレクシスは最初に居た小屋に帰る。
 サガンはここに寝て良いと言ってくれたが、少し1人で考えたかったのだ。
 小屋までの道は暗くて分かり辛いのでグロウが送ってくれた。

「何でグロウはグロウじゃないんだろう?」

 歩きながらデレクシスは疑問を口にする。
 あっちのグロウとこっちのグロウが同一人物?とはどうしても思えない。

『ハッキリとは言えないが……多分、エネルギー切れだろうな』

「?」

『魔獣ってのは異世界のエネルギーが無いとこっちの世界じゃ徐々に弱っていくんだ』

 デレクシスの話を信じるとなるといずれサガンは死に、グロウは放置される事になり、他の召喚師も居なくなると言う事はエネルギー供給が出来なくなる。
 それでも、エネルギー消費を最低限にして1000年ぐらいは生きていられるが……。

『そんな時、使う手のひとつとして他の生き物に寄生する事がある』

 そして、いずれはその生き物を喰い破って復活するワケだ。

『考えたくは無いが、未来の俺は……人間の胎児に寄生したらしいな』

 母親の胎内に居たアースに寄生したグロウは、アースの中ですくすくと成長しましたとさ……という感じ。

『俺が父親と言う事も考えられない事も無いが……名前が同じだしなあ……前者が正解だろうな』

 グロウは話ながら物凄く嫌な表情になる……自分がいずれするであろう行動が信じられないのだ。

「ハーフだとしてもやっぱり喰い破る?」

『ああ、そうだな……』

 だからそんな事しないハズなのだが……。

「多分、何か確信があったんじゃないかな?こうやって私と会えたのが必然なら……大丈夫って知っている事になるし」

 グロウは呆れたように苦笑する。


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