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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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時の邂逅-16

「大丈夫?」

 ウィルがデレクシスの前にちょこんと座り、顔を覗き込んできた。

「……ウィルがキスしてくれたら大丈夫」

 冗談を言う余裕があるなら大丈夫だね、とウィルはデレクシスの頭を軽く叩く。

「そういえば、ウィルの完全共有見た事無いよね」

「陸上は体が乾くから嫌なの」

 ウィルの精霊ポゥは水の精霊で、魚(飛び魚らしい)の姿をしている。
 どんな姿になろうとも、魚なのだろうからそりゃ乾くのは嫌だろう。

「じゃあ、森の奥にある泉に行こうよ……ウィルの裸も見たいし?」

 悪戯っぽくウインクして見せると、ウィルは顔を赤くして困ったように笑った。

 そして2人は森の奥に来ていた。
 泉のほとりに立ったウィルは恥ずかしそうに服を脱いで下着姿になるとポゥに手を伸ばす。

「ポゥ」

『ピピッ』

 ポゥは空中を泳いでくるくるとウィルの周りを回った。
 そのポゥの体から細かい光の粉が出たかと思うと、ポゥの体自体も光の粒子になる。
 そして、光はウィルの体を包み……次の瞬間には完全共有したウィルが現れた。

 背中から大きなヒレが翼のように生えており、腕にもヒレがある。
 首筋にはエラのようなものが出来て、下半身は完全に魚……その姿はまるで……。

「半魚人?」

「失礼ね!せめて人魚って言ってよ」

 デレクシスの感想にウィルは頬を膨らまして文句を言った。

「嘘、嘘……凄く綺麗だ」

「ありがと」

 ウィルは嬉しそうに言うとパシャンと泉に入り、ザブンと沈む。
 水面に紋が広がり、それが穏やかに消えると、泉の中心からウィルが飛び出た。
 水飛沫がキラキラと光を反射してとても幻想的。

「デレク!おいでよ!」

 ウィルに呼ばれて、デレクシスも下着姿になり泉に飛び込む。
 冷たい泉の水に一瞬震えるが、水中は綺麗に澄んでいて寒さを忘れるぐらいの光景だ。

「っぷはあっ」

 水面に顔をだしたデレクシスはウィルを探す。

「ウィル?」

 名前を呼ぶと後ろからしなやかな腕が抱きついてきた。

「うわっと」

「ふふっ……シよ?」

 ウィルはデレクシスの体を撫で回しながら誘う。
 2人は暇さえあれば体を重ね合っていた……まるで、時間が足りないとでも言うかのように。


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