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真夜中の淫謀
【レイプ 官能小説】

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宴のあとで-3

 もはやショーは舞台の上だけではない。エリナのすぐ近くにいた男たちは、舞台から降りてきた女をひきずり倒して犯し始めた。本能のままに動く男たちの目は爛々と輝き、女たちはそんな男たちを求めてやまない。女同士でお互いの性器を舐め合うふたりがいる。そのふたりを取り囲んで精液を浴びせかける男たちもいる。狂ったように笑い出す者もいれば、大声で叫び出す者もいる。

 皆が己の欲望にどこまでも忠実になる。あらゆる感情は剥き出しにされ、凄まじいまでの快楽の渦が巻き起こる。現実感が壊れる。いま自分がどこにいるのかさえもわからなくなる。

 ふいに舞台の袖にいる女に目を惹かれた。

 女はエリナのほうにちょうど背中を向ける格好で柱にしがみついている。その左腕には、山本の頬にあったものと同じ巨大なムカデの刺青が施されていた。

 女の隣には山本が寄りそうように立っている。右手には鈍く光る銀色のナイフ。女の背中に当てられた刃先は、まっすぐに赤い線を描く。女が背中を震わせる。うすく切られた皮膚からはみるみるうちに血が盛り上がり、形の良い尻へと流れて落ちる。またひとつ、またもうひとつ。女の背中には幾筋もの線が刻まれ、舞台袖の床に瞬く間に激しい深紅の模様が生まれた。

 女の口からは、熱いため息が漏れるばかり。

 エリナは立ち上がり、女の傍へと駆け寄った。どうしても知りたくなった。彼女が感じている快楽の秘密を。エリナの知り得ない世界を。

 女の隣に立ち、そっと耳元で囁いた。

「気持ち、いいのね」

 女はエリナの声に顔を上げた。目鼻立ちのはっきりした、気の強そうな美人顔。長い睫毛は何度か瞬きをしたあと、ふっと力が抜けたように伏せられた。女が口元に笑みを浮かべゆっくりとうなずく。

「いい、すごく、いい・・・あっ」

 山本はエリナのことが視界に入らないかのように、女の皮膚にナイフを入れ続ける。よく見るとその背中にも足にも、腕にも、過去につけられた幾つもの傷跡がはっきりと残っていた。乱暴に縫いつけられた醜いひきつれのようなものまである。

「罰を・・・うけたいの・・・」

 かすれた声。女が体を震わせるたびに左腕のムカデが不気味に蠢いて見える。いまにもずるりと這い出してエリナに飛びかかってきそうな錯覚に陥る。

「罰を?」

「そうよ・・・悪い子、だから・・・罰を受けないと・・・いけない・・・こうして、痛いことをされないと・・・許されないのよ・・・」

「でも、気持ちいいのね?痛いことが?」

 エリナの言葉に女が再び微笑む。

「悪い子は・・・おしおきされたら、良い子になれるの・・・だから、だから・・・んっ」

 女は再び瞳を閉じて快楽に没頭し始めた。ため息とせつない声が混じり合う。女の長い足に山本の精液がかけられ、白い雫がまた床へと落ちていく。

「悪い子だから、おしおき・・・ね」

 すべてが理解できたわけではない。けれどもエリナはなんとなく女の望んでいるものがわかるような気がした。体に与えられる痛みのその向こう側にある快楽。男に求められ、許され、受け入れられ、そして・・・


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