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真夜中の淫謀
【レイプ 官能小説】

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狂楽の部屋-3

「・・・エリナ、大丈夫?着いたよ」

柔らかに囁くような岡田の声で目を覚ました。どのくらい眠っていたのだろうか。あたりの風景は一変し、どうやらすでに山の中にいるようだった。

「もう・・・?」

「よく眠っていたね。さあ、行こう」

 そこは深い緑にうっそうと覆われた林道の脇に造られた広い駐車場だった。奥の方には小型のブルドーザーのような工事用車両が数台と薄汚れた軽トラックが並んでいる。すぐ隣には2階建ての大きなログハウス。

車から降りると土や草の香りが強く感じられた。小石が敷き詰められた地面は歩くたびにジャリジャリと音が鳴る。

家を出るときには暑いくらいだったのに、しっとりと湿り気を帯びた空気はひどく冷たい。幹が細く背の高い木々が日光を遮っているせいで薄暗く、聞いたことも無いような鳥の鳴き声が響き渡る。どことなく薄気味悪いようにも思えたが、エリナはその雰囲気を嫌いではなかった。

「なんだかすごいところね・・・」

「だろう?普段ひとが来ないような場所を探していたらこんなところになっちゃってさ。ここは僕の別荘兼仕事場、ってとこかな」

 岡田は快活に笑い、エリナを建物の中へと促した。

 丸太を組み上げて作られたようなその建物は、扉や柱が丸みのある可愛らしい形に細工されていた。玄関先に植えられた花も、そのそばに並べられた陶器製の小人の置物も、岡田にしてはやや少女趣味な・・・ちぐはぐな感じがする。

 鍵を差し込んで岡田がギイッと音を立てて扉を開けた。思ったよりも厚みがありどっしりとしたその扉の奥は真っ暗で何も見えない。中に入ると、どこかで嗅いだことのあるような癖のあるにおいが鼻をついた。

 パチリとスイッチが入れられ、天井に取り付けられたダウンライトが建物の中を照らし出す。そこには外観の愛らしさからは予想もつかないような光景が広がっていた。

 まず、そこには明かりを取り入れるための窓が無かった。正確に言うと、それらはすべて塞がれていた。外から見えたはずの愛らしいデザインの窓には板のようなものが打ちつけられ、一筋の光も漏れてはこない。

 玄関から見て正面奥にステージのような場所があるだけで、ほかに部屋を区切るような壁は無い。左側の隅にはカウンターがあり、その背面にはあらゆる種類の酒類がグラスと共にずらりと並んでいる。

ステージの手前はただの広い空間で、そこには不規則に置かれたいくつかの椅子やソファ。高い天井からは数本の頑丈そうなロープが伸び、その先には何かを引っ掛けるための銀色に輝く太いフック。同じものが2本、ステージの天井にも取り付けられていた。

 部屋の端にはいくつかの段ボール箱、中には何に使うのか分からない棒状のものが乱雑に入れられている。ステージを含めた建物の床には黒いビニール製のシートがびっしりと敷き詰められており、それが部屋の異様さを際立たせているようにも思えた。

 もの珍しそうに建物の内部を眺めるエリナを見て、岡田は満足そうに笑った。

「驚いたかい?もうすぐ時間だからみんなが集まる。最初は少し驚くかもしれないけど、きっとエリナは気に入るよ。よし、とっておきのワインを持ってこよう」

 上機嫌でカウンターの中へと入る岡田を横目に、エリナは手近にあった青いソファに腰を下ろした。縁取りに凝った刺繍が施されたそれはとても座り心地が良く、家具にさほど詳しくないエリナにも高価な品であることがわかった。

 もう一度ぐるりと室内を見回したとき、玄関の扉がドンドンと叩かれた。

「岡田さん、来ましたよ」

 ゆっくりと玄関の扉が開き、男の声がした。薄暗い室内に外の光が無遠慮に差し込んでくる。エリナは眩しさに思わず目を細めた。逆光になって男の姿はただの黒い影にしか見えない。岡田は片手を挙げて男に応じ、

「山本さん、久しぶりですね。もうすぐほかの客もそろうはずだから、少し待っていてもらえますか?」

と言い、飲み物の入ったグラスを持ってエリナのところへ戻ってきた。扉が閉じられ、今度は山本と呼ばれた男の様子がはっきりと確認できた。

 エリナは山本の顔を凝視した。


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