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和合観音
【ファンタジー 官能小説】

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サリーチェス姫-1

俺は寝返りを打った。誰かが俺の肩を掴んだ。
「兄貴、起きてくれよ。時間だぜ」
ナエボロスが俺の肩を揺すった。こいつが俺の体に触るなんてのは滅多にない。案の定、俺が起き上がるとぱっと飛び退いた。
「おい、そんな風にするなら始めから体に触るなよ。長い棒でも使って突けば良いだろう」
「でも、そんなことしたら兄貴に失礼だから」
「なるほどお前なりに努力してるって訳だ」
俺は肩を竦めて感想を言った。俺の名前はボルノス。と言ってもこいつは仲間内の通り名だ。鼻柱から左頬にかけて水平に刀傷があるからこんな名前になった。
で、俺を兄貴分扱いにしているこいつはナエボロス。左頬に刀の鍔ほども大きい赤痣があるので、そういう通り名になった。
外の奴らは言う。同じ左頬に印のある者同士がパールを組んでいると。パールとは二人一組の行動単位だ。そういうのが10組あって、1ポスィートになり、それが5つ集まると1コルポスになる。俺達は3コルポスからなる命知らずの集まりダレデービル隊に所属している。
ナエボロスは全滅した筈のインテリトゥム隊の死体の中からたった一人生き残っていたのを俺が発見した。折り重なって倒れている兵士の下敷きになって血だらけになっていたんだ。少年兵で顔についた血を洗ってやったら、どうしても落ちないところがある。それが左頬の痣なんだ。
そいつは顔に痣があるけれど、いわゆる美少年なんだ。で、結構仲間内でオモチャにされたらしく、体に触られることを極端に恐れる。話を聞くと肛門に集団で突っ込まれて破けたらしい。髪の毛も言うことを聞かないからと刀でザクザクに切られたらしく、無残な髪形をしていた。
戦時中は女に会うことはない。だから少年兵はよく男達の欲望の犠牲になるんだ。俺はこいつくらいの弟がいたが、少年兵になって仲間の慰み者にされて自殺したんだ。だから、こいつのことを守ってやろうと思った。
俺が発見して助けたんだから、俺がパールを組むと宣言したんだ。すると下心が有る奴らが俺のことを勘ぐって、てめえだけの持ち物にさせねえと抜かして来たんだ。俺はどうやって決めると聞いてやった。すると俺は剣を使ったらやたら強いから、素手で戦って決めようとぬかしやがった。
味方同士剣で戦って殺し合えば隊の規則を破ることになると言ったんだ。何が味方同士だ。お前たちなんか味方なんぞとは思っていねえよ。反吐が出らあ。
5人の荒くれが俺に挑戦してきたから、隊の連中に円陣を組ませてその中で一人ずつと戦ってやったよ。
見せしめのために一人は片目を抉り出してやった。もう一人は指を一本へし折った。3人目は歯を3本折った。4人目は鼻柱を潰してやった。すると5人目は棄権したんだ。根性なしめ。
 


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