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調教の館
【その他 官能小説】

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第3章-3

どんな時でも、私は中途半端なことはしないし、それを実践してきた。
だから、女にも納得してから、私に体と心を預けて欲しいからなのだ。

今まで逢って調教した女の中では、そういう女は居なかったが、
しかし、逢うまでのメールや電話などのやり取りで断った女も何人かはいる。
それは、私が女を調教する内容を説明すると、驚くのだ。
軽い気持ちで応募したのだが、聞くと恐ろしくなってきたのだろう。

M女と言っても色々あるからだ。
付き合っていた彼氏がS男で、ホテルで縛って貰い、それからSMに目覚める。
男と別れてからも、その快感が忘れられないと言うのだ。

その女にしてみれば、
セックスの前の軽いペッティングのように考えていたようだが、
私の説明を聞き、ビビッたようだ。

それでも私は突き放すような言葉を掛けずに
「もし、気が変わって、本当に私に調教されたくなったら、いつでもおいで」
と紳士的に言ってある。

私が紳士から、悪魔のようなサド侯爵になるのは、
女が納得し、私のマゾ女として調教を受けたいと誓った時なのである。


さて、有希子はそんな私の思いに納得し、
心から調教を受けたいと願った女だった。


逢う前にお互いの写真は交換したし、有希子のことも私は知った。
有希子は美しい人妻で、亭主は或る一流商社で部長をしているらしい。

そして高校生の一人娘がいるが、
そんな有希子は自分の時間を持て余しているようである。
今時には、贅沢な環境だが、その女にも心の中に鬱積した物があるようだ。

それは、夫への不満と不信感であり
生活的には申し分ないのだが、夫には女が居るようなのだ。
仕事柄、遅くなったり、帰らなかったり、
休日にはゴルフに出かけたりと、殆ど家にはいない。

しかし、その影にはいつも女の匂いがするらしい。
男はいくら装っても、敏感な女にはそれが分かるのだ。

有希子は、夫への復讐を秘めながら、私に接近したのだが、
いつしか、復讐よりも、女自身が私にのめり込んできてしまっていた。





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