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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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王様の嫁取り大作戦-1

 ここは、西の大陸にある魔法大国ゼビア。
 魔法使いが多く産まれるこの国には魔法学校があり、全大陸から魔力を持っている人間が集まる。
 その国のトップに立つ王様、ドグザール=キョウ=ゼビア、41歳、独身。

 只今、花嫁募集中。

「嫁ぐらい自分で探させろってんだ……まったく……」

 ドグザールは山積みになっている花嫁候補の資料を見て、焦茶色の短い髪をガシガシ掻きながらうんざりしていた。

「ええ、ええ。貴方様がそうおっしゃるので、爺は長年我慢しておりましたが……もう、41ですぞ??」

 更に資料を積み上げた爺、シドはドグザールを責め立てる。
 このシド爺はドグザールの父の代から城に仕えている執事で、ドグザールの教育係であり、父親代わり。
 80歳を越えているくせにピーンと伸びた背筋、白髪、白髭……これぞ執事と言わせる風体のシド爺はキランとアイスブルーの目を光らせる。

「せめて爺が棺桶に入るまでにはお妃様を迎え入れてもらいますぞ!」

 シド爺は声を大にしてドグザールに資料を1部差し出してきた。
 ドグザールは渋々とそれを受け取り、目を通す。

「……あ〜?公爵家の三女ソフィア……18歳ぃ〜?!いくらなんでも相手が可哀想だろうが」

 下手したら親子ほどの年の差だ。

「何をおっしゃいますか?年の差などは些細な事です!ねえ?キアルリア姫」

 いきなり話を振られたキアルリア、通称キャラは驚いて目をパチパチさせた。
 キャラはお茶の入ったカップを持ったまま、プラチナブロンドの髪を揺らして首を傾げる。

「そうですねえ……しかし、あまりにも歳が離れてますと少し……」

「はっ!こいつが結婚について他人にどうこう言えっかよっ。自分の国捨てて一般人と結婚してんのによ」

 キャラは東の島国、ファンの姫……そのくせ家出して、あろう事か一般人の男と恋に落ちて結婚していた。

 そこらへんの詳しい話は本編、ゼビア・ズ・ストーリーを読んでいただくとして……。

 キャラは、せっかく庇ってやったのに何を言うのか、とドグザールに反撃する。

「まあ、ドグザール王。お言葉ですが彼……アースはゼビアの次期国王代理……ご自分の国のナンバー2を蔑ろにしたら寝首をかかれますよ?」

 キャラの表情はにこやかだが、持っているカップの表面には細かいひび割れが入っていた。

「とにかく、今日中にこの資料には目を通しておいて下さい。分かりましたな!?」

 シド爺はドグザールに釘を刺すと、ワゴンを押して部屋から出ていく。


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