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氷の解けた日
【SF 官能小説】

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アシュラの最期-1

 私はガルチック・コユナ社の正規の事業をしているのが本社のコンピューターではなくて、幾百もある下請け企業のコンピューターであることを突き止めた。

 では本社のスーパー・コンピューターのファーザー・コユナは何をしているのかというと、裏稼業を統括していたのだ。
 
 仮想空間での強盗・誘拐・監禁・人身売買などは全て本社のコンピューターが担当したことがわかった。

 そして本社の社員の中でも特別にそのために雇われた者たちがそれを実行していることがわかったのだ。

 彼らはまとめて最上階にいる。
そして、私がそれらのことを探ってファーザーコンピューターを破壊しようとしていることを、敵のボスは気づいている。

 敵のボスはコンピューターの中にいる電子生物だ。
 
 数年前に亡くなった前会長が自分の人格再生プログラムを作成して、死後も電子生物として残った。
しかし彼が権力の座に居座る為に、実際に行ったことは血の粛清だった。

 裏社会の人間を集めてそれらのアバターによる、仮想空間内の闇の一大組織を作ったのだ。
反対する者は悉く葬り去った。

 現実社会の中でも、仮想空間の中でも自分に逆らう者は悉く……。

 それは政界や警察、文化、芸能、教育分野にまで影響力を持つようになったのだ。このままではアニョンのような弱い立場の者は利用され使い捨てられ犠牲になって行く。

 このままではミアの身も危ない。
今リアル・ゲームの力が及ばない仮想空間はどんどん狭められていっている。
ミアもいずれは見つかり、消去されるだろう。

 このままでは少子化対策のための人口出産計画も彼らの都合のよいものに変えられて行くことだろう。
 
 全ての悪がファーザー・コユナに集まっている。

 その中にいる電子生物はミアやマチモリのように身軽ではない。
固定型電子生物だからコンピューターの外に出られないのだ。

 それがアルバ博士の新技術を盗んだりして身軽になり、世界を自由に駆け巡るようになれば取り返しがつかない。
だから、破壊する。それができるのは、アシュラ……今の私しかいない。
 
 ガルチック・コユナ社の入り口には身長2mの強化樹脂の体を持つ警備ロボットが2体立っている。
大型トラックが猛スピードで突っ込んできても体当たりして食い止めるというパワーのロボットだ。

 私が姿を現すと、彼らはすぐ反応してきた。そして私に向かって突進してきたのだ。
私は右手にウルムヤンデを出した。
 
  


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